2013年10月29日 (火)

中高年のパソコン手習い塾『XPからウィンドウズ8へ! パソコン引っ越しガイド』NHK出版

またまた久し振りです。
あの悪夢のような酷暑は、すでに遠い彼方に消え、遅い10月台風が過ぎ去り、紅葉鮮やかな季節に突入しています。

今年の夏は、特に暑く、珍しく体調にも変化があった。その影響か、気合いが抜け、日々、暑い暑いとこぼしておりました。

世の中は相変わらずものすごい動きで進み、楽しみは増える一方。困ったもので、余裕さえあれば、思う存分楽しみたいと思いながら、なかなか進みませんね。Yahoo!ゲームの無料ゲーム「ドラゴンクエスト モンスターゲーム」なんか、最初の1ステージをかじっただけで、先に進めていない。


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ところで、だいぶ減ってきたとはいえウィンドウズXPパソコンは多いはず。最近の問い合わせは、XPやビスタからウィンドウズ8に乗り換えたけど、わかりませ~ん、いちいち操作が違うので悩んでいます! との声が多い。
中には、有料でいいから、しっかり教えてくれる人はいないかしら? とまで言ってくる。XPのデータの引っ越しはもちろんだが、新居での生活が慣れないと大変。そこで、XPから引っ越しても新居で、馴染んだやりかたでウィンドウズ8を覚えてしまおうというのが、『パソコン引っ越しガイド』。

マウスの動かし方もそうだが、考え方を変えないとついて行けないウィンドウズ8。この人は、2面相。おもての顔は、タイルが並んだ派手な面相。タイルといえば、お風呂しか思い出せない僕は、最初うまく理解できなかった。お風呂場をイメージしてスタート画面とは、これ如何に?

とにかくまったく見知らぬ面相。パソコンが変わったといって過言ではない。これは何? どうするの? 影の存在のOSが舞台に登壇して何を訴えるの? と叫びたくなる。

一方、懐かしいおかめ・ひょっとこの、あの顔は別のステージにいた。デスクトップという名前のまま、小さい潜り門を抜けると現れる。この画面で誰でもひと息つく。と、そのとき、ない! ないことに気づく。本当にない! これほどまで、これがないと作業ができないとは思っていなかった! これまではスタートボタンなどさほど使っていないつもりだった。タスクバーやデスクトップ、ショートカットなど、サッサカサッサカ進むコツがたくさんあった。ところが、左下にその存在がないだけで、不安になる。やはり頼りにしていたのだ。

デスクトップに至り着いても、またまた、お手上げって状態になる。懐かしいインターネット エクスプローラーのアイコンで、ホームページを見ることはできるが、さて次はどうする?

2面相の仮面をはがせば、これまでと同じ平穏なパソコンライフが送れると探しても、ジキルとハイド、まったく見つからない。パソコンで不安な日々が続き、ストレスがたまり、投げたくなる。あの懐かしいXPを捨てるのではなかった!

引っ越して一番大変なのが、新居での生活。これは身に染みている。ある程度の歳になってから引っ越しなどするものではない。昨年引っ越しした経験です。でも引っ越ししたからには、自分の生活を取り戻してみたいもの。ストレスが少ない、快適なパソコンライフとまではいかないが、馴染むためのコツはある。ポイントをつかめば、あっちこっちとさまよって何をしているかわからなくなるってことは回避できるかもしれない。



10月 29, 2013 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月30日 (火)

中高年のパソコン手習い塾『撮りっぱなしはもったいない スマホ&デジカメ写真の活用ガイド』NHK出版

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お久し振りです。何が忙しいのか、ただ暇に任せているのか。とにかく日が空いてしまいました。
この本だって、6月25日発売なので、1カ月も経ってしまい申し訳ないです。
スマホやデジカメで撮った写真。実は、メモリーカードに貯まったままか、パソコンに移してほったらかし、というのが多い。
といっても何に使うの?
撮れば記念撮影はお仕舞いだから、あとはいつか見る日を楽しみに! ということになる。
せっかくあの日あの場面で撮影した思い出の写真。
ちょっと着飾ってお披露目はいかが!というのがこの本のねらい。
本にはお試し用に掲載している写真がサンプルファイルとして収録してある。
実際に操作してみないと感じがつかめないので、役立つはず。
よくお問い合わせのあるのが、写真の切り抜き。
人物を切り抜いて、ほかの背景写真と合成したいという要望が多い。
これは大変手間。
ハサミやカッターだって大変なのだから、切り抜くのはすごく手間がかかる。
ところが、さすがに魔法があるもの。
簡単に切り抜いて合成できてしまう。
一番上のタイトル写真は7枚の写真を自動合成したもの。
実は写真を選ぶだけ。あとはソフトにお任せ。
ファイルの名前を決めれば出来上がり。実に簡単。
こんなことができたら! を簡単に実現したいといろいろ研究した成果が出ている。
きっと写真を見せたくなるはず。
中高年のパソコン手習い塾『撮りっぱなしはもったいない スマホ&デジカメ写真の活用ガイド』NHK出版

7月 30, 2013 書籍・雑誌 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2013年4月25日 (木)

無線はとにかく楽! NHK出版『らくらく無線LAN生活』

てさて、無線の話。

パソコンをインターネットに接続するのに、ケーブルで接続している場合が多い。
このケーブルをLAN(ラン)ケーブルといって、有線ネットワークを作っているのだが、インターネットに接続しているだけなら、自宅にネットワークを作っていることに気づいていないのがほとんどだ。

このケーブルを外して、電波で代替えするのが無線LAN。ケーブルを電波に置き換えるだけだが、この効能は素晴らしい。親子電話以上の恩恵にあずかる。

パソコンの場合だと、ケーブルを引きずって移動させなくてもよい。1階の部屋だけでなく、2階の部屋からも接続できる。壁に穴を開けてケーブルをつながなくてよい。

プリンターも無線対応にすると、パソコンの側に置かなくてもよい。最近の複合機の場合、コピーやFAXも使えるが、パソコンのところまで毎回行くのは手間。リビングや居間に置いておけば、家族みんなで使える。もちろん、パソコンからの印刷もOK。

最近は、一家にパソコンが2台、3台ということもある。ケーブルを1台ずつ這わせるのは大変。しかもプリンターは?

もっと素晴らしいのは、スマートフォンやタブレット。無線LAN(Wi-Fi:ワイファイ)のおかげで、家のどこでも利用できる。電話回線を使わないので、お金もかからない。

テレビもインターネットに接続すると、ユーチューブ(YouTube)の動画がテレビで楽しめる。

本当にいいこと尽くめ。
そんな話は眉唾ものと、端から相手していない御仁は、NHK出版『中高年のパソコン手習い塾 らくらく無線LAN生活』を本屋さんで立ち読みしてください。

難しい話は不要でしょう。無線でつながればいいだけです。
あとは、親子電話のように、リモコンのように、電波ということを忘れて無線生活を楽しめるはず。

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4月 25, 2013 書籍・雑誌 | | コメント (4) | トラックバック (0)

無線を始めてみよう! NHK出版『らくらく無線LAN生活』

見えないものは、とらえどころがない。
最たるものが、空気。なくてはならないものらしいが実感がない。
気圧もそう。圧力なんて感じない。
感じていたら、肩こりがひどくなりそう!

電波は身近に飛びまくっているが、まったく捕まらない。
テレビのリモコンの電波は、自分で飛ばしているから何となくわかる。
テレビに向けてチャンネルが変わらないこともある。
壁に向けるとチャンネルが変わったりする。
色でも付いていればはっきりするのに。

テレビだってラジオだって、電波。
慣れてしまえば、飛んでいることすら忘れてしまう。
生活になじんでしまったから。

子どもが自分の部屋で大声で話していた。
大声で独り言とは何ごとか? とビックリ。
電話の子機で話していた。
僕は、子機を取り上げても、電話機の側に立ったまま話していた。
無線に慣れていなかった。

生活に溶け込んでしまうと、利便性を感じなくなる無線。
家じゅうに電波が飛んでいるのに、気にならない。

ところが、です。

自分で無線を始めるとなると、こりゃ、大変。
電池を入れて、リモコンのボタンを押せば使えるのと訳が違いそう。

そう! ひと昔前、無線の設定は結構悩ましかった。
装置がプロ向きだったし、言葉がカタカナ語に加え、英語が並ぶ。
チンプンカンプル。
勘弁してぇ~。
書いている人たちも難しいと思っていたはず。

そんな時代が長く続いた草創期。
いつもはじめはこんな感じだった。

さてさて、ここからが無線LAN(ラン)の話。

で、ハアハア、すでに息が切れている。

続きは、のちほど。



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4月 25, 2013 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年7月10日 (火)

一度は手に取りたい『Windows 7 快適快速マニュアル』(学研)

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購入したばかりはサクサク・キビキビと動いていたパソコンも、月日を重ねると、何となく遅くなり、重くなったように感じる。

実際に遅くなる。使えば使うほど重くなる。メンテナンスが必要になる。

ところが、このメンテナンス。お風呂の掃除などと違って、どこをどのようにすれば昔の面影が戻ってくるか皆目わからない。パソコンには個性があり、歳月が経てば、個性が際立ってくる。メンテナンスといっても必ずしも決まっているわけではない。

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とはいえ、ちょっとしたメンテナンスで、このパソコンが快適に、そして快速に動く。

何をすればとお悩みの貴兄には、オススメ10選をお試しいただきたい。初級者10選、中級者10選を試してから、パソコンの個性に合わせて、少しずつさらに快適な環境にしてみよう。

7月 10, 2012 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年4月27日 (金)

『むかし原発 いま炭鉱 ~炭都[三池]から日本を掘る』

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以前紹介した映画『三池 終わらない炭鉱(やま)の物語』の監督・熊谷博子さんが、あの思いを書き綴った本を出しました。

紹介文を転載します。

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『むかし原発 いま炭鉱 ~炭都[三池]から日本を掘る』刊行のご案内

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 熊谷博子です。5年がかりで書いた本が出版されました。

 映画『三池 終わらない炭鉱(やま)の物語』で出せたことは、実は撮影した中の
わずかでしかなく、上映を続け、様々な人と出会いながら発見したことは、さらに
膨大でした。どうしたらそれが伝えられのか。その後ずっと本を書いていました。

 三池炭鉱の坑道は、日本のあらゆる問題とつながっています。しかもエネルギー
問題は、日本の裏事情でもあり、事実を掘り出し、つなぎ合わせ、それが正しいのかを
確かめるには、長い大変な作業が必要でした。
 何とか完成に近づいたかなと思った時に、3・11が起きました。また全面的に
書き直すことになりました。

 かなりの大作になってしまいましたが、一気に読めます。
 炭鉱から原発に至る見えない坑道があり、すべてのものごとは過去に終わっている
のではなく、見事に絡み合いながら現在につながっているということが、パズルを解く
ようにわかります。読めばきっと、涙が滲みます。

 タイトルには、もう原発はやめにしてくれ、という思いを込めました。
 炭鉱に始まる、日本という国を支えてきた、そして今も支えている無名の人々の姿を、
きちんと見直したいのです。

 人々の価値観が変わらなくてはならないこの国を、まさに根っこから掘り、ともに
新しい道を作れる本だと、確信しています。
 ぜひ、手におとり下さい。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◇『むかし原発 いま炭鉱 ~炭都[三池]から日本を掘る』
             熊谷博子 著 中央公論新社 2300円(税別)

 ―日本の根っこと未来へ向かう坑道がある 原発は何を残そうというのか
 話題の映画『三池』監督、渾身の書下ろし―  帯から  

【目次内容】
○炭鉱は文化を生み出したが、原発は文化を生み出さなかった―まえがきに代えて

○プロローグ 古くて新鮮な物語 

○第一部 「負の遺産」て何なのさ!~三池というまちで
  廃坑跡から声が聞こえた/負の遺産!?/異種混合スクラム/炭鉱にさわる/
  地の底で乳をしぼる

○第二部 地の底のジグソーパズル~三池闘争から現代へ
  60年の記憶/撮れないものを撮る/それぞれの一瞬/イデオロギーか生活か/
  分裂工作のシナリオは誰が?/裏の裏のそのまた裏/炭鉱労働者から原発労働者へ/
  みんな仲間だ

○第三部 巨大企業への一刺し~事故を抱きしめる女たち
  妻たちと母たちの地獄/妻たちの坑内座り込み/つぶされた鑑定書/
  象の足にアリがかみつく/団結公害/負けてそして勝った

○第四部 炭鉱(やま)に埋められた歴史
  長老の沈黙/切り取られた壁/心に時効はあるのか?/アメリカ人捕虜の訴え

○第五部 炭都シンフォニー
  労働への尊厳/撮れなかったものの重さ/負の遺産を富の遺産に

○エピローグ 三池の女と夕張の女   

映画の紹介 http://www.cine.co.jp/miike/event.html
本の紹介 http://www.chuko.co.jp/tanko/2012/03/004343.html

4月 27, 2012 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年4月26日 (木)

『ウィンドウズ7&エクセルVer.2010完全活用』学研

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4月は就職、進学の季節。真新しいリクルート姿の新入社員が固まって移動している。寄り添ったり離れたりと、一方向に進まないのは、巣立ったばかりの初々しさか。きっと研修、実習に向かうのだろう。

心機一転の季節は、パソコンも新たな意気込みでチャレンジしたいもの。

ウィンドウズ7のとっておきの活用技と、
文書作成・表計算にも役立つエクセルの活用技を詰め込んでみた。

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おやっ、こんなこともできるのか!

これをやってみたかった!

欲しがっていた至宝が詰まっているはず。

すぐ使える便利技を是非試してみてください。

4月 26, 2012 書籍・雑誌 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2012年4月25日 (水)

中高年のパソコン手習い塾『ネットでエンタメ大作戦』NHK出版

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インターネットの進化には唖然とする。ちょっと前まで文字中心で、目をこらして読み進むページが中心だった。いまや、テレビ映像、動画、ラジオ、音楽、電子書籍、新聞・雑誌……なんでも無料で楽しめる。

文字を読み進むのをためらっていた人も、動画や音楽などならインターネットを楽しめる。

とはいっても、インターネットのホームページは無尽蔵。次々と溢れるように現れ、形を変えて展開する。昨年のことはかなり昔の物語になってしまう。とにかく多い。

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そんな中から、テレビ番組や映画、ラジオをどうして探すか、これが問題。しかもそのページに至りついても、さてどうすれば? と頭を抱えてしまう。楽しみ方がわからない。

そんな御仁にお勧めなのが、この本。

インターネットを思いっきり楽しむための本。ひとつひとつ紹介サイトを楽しむだけで、ゆうに1カ月は楽しめる。同じサイトで何度も楽しめるし、毎週配信される落語やクラシックなどを楽しむだけで、毎日が面白くなる。

パソコンで映画を見る、動画を見る、ラジオを聞く、カラオケをする、本・新聞・雑誌を読む……。気に入ったものを探して思いっきり楽しんでみてください。

4月 25, 2012 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年12月16日 (金)

ちょっとおかしなげんきロボット・ルーブー

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3月11日の震災でさまざまな傷を抱えた人は多い。
東北から離れているとはいえ、精神的なショックは計り知れない。

知り合いが、絵本を作り、東北の子どもに渡そうとプロジェクトを立ち上げた。
できたてホヤホヤの本はまだ100部ほどしかないそうだが、これから広げていく。

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ホームページも立ち上げた。
インターネットで絵本を見ることもできるし、塗り絵をダウンロードすることもできる。温かい気持ちが広がっていく、素敵な絵本。
誕生したばかりのげんきロボット「ルーブー」の今後が楽しみだ。

是非のぞいてみてください。

ちょっとおかしなげんきロボット・ルーブー
http://www.rooboodoo.com/

12月 16, 2011 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月26日 (土)

思い出 デジタルで残して活用 - 中高年のパソコン手習い塾 ウィンドウズ 7ではじめよう! NHK出版

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IT化、デジタル化の勢いがとどまるところを知らない。昔の思い出が記憶の中で薄れるだけなら、やむを得ないとため息混じりでお茶をすすることもできるが、記録したものを再生できなくなるのは予定外。

子どもの頃の紙焼き写真やアルバムを開いたことがあるだろうか。写真は日焼けしたり、カビが生えたり、くっついたりして、大切な思い出が見るも無惨な姿になっていることがある。タンスの奥から出してきた写真の束には、懐かしい昔の臭いがする。

アルバムにとじ込んでいて安心のはずが、くすんでいることがある。50年も経てば、写真だって思いの外、白化が進んでいる。現像によっては薄紫の影が残るだけ。どんな写真かさえわからなくなる。当時はやりのポラロイド写真はほぼ白化しているはず。

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子どもが小さい頃撮影したビデオテープ。テープを再生できるビデオプレーヤーが店頭にないことをご存じだろうか。DVDやブルーレイに変わり、ビデオテープがすでに遺産となったのはごく最近。息子娘の運動会、家族旅行のビデオテープが大事に保管されていても、再生できなくなったことは意外と気づかない。家にビデオプレーヤーが残っていても再生できるかどうかわからない。装置が動かないこともある。すでに何十年も前のものだったら、再生は難しいかもしれない。

レコードやカセットテープ、MDも同様。音楽CDに置き換わってからお蔵入りのはず。再生できない。レコードプレーヤーはいまや高価な骨董品。カセットテープなら最近まで使っていたから大丈夫! とラジカセにセットしてみると、音が出ないことに気づく方も多いはず。ラジカセが壊れてしまっている(僕の家にあった2台のラジカセは両方とも再生できなかった)。

せっかくためておいた貴重な思い出が消えてしまう!

思い出をデジタル化して残しておくことは大切。デジタル化する作業は、機器やソフトがあればそれほど難しいことではない。時間がかかるのは、記憶を継ぎ合わせて蘇らせる人間のほう。これは誰? このビデオはいつ? このレコード、なけなしのお金で買った!……。ひとつひとつに凝縮されている記憶を紐解く作業が懐かしい時間を作り出す。浸って思い出をたどると、脳の回路があちこちつなぎ合わされ、記憶が蘇ってくる。

時間をかけても、自分の過去を現代に蘇らせてみたいもの。

11月 26, 2011 書籍・雑誌 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2011年10月 6日 (木)

『エクセル+関数 Ver.2010 これ1冊!』学研パブリッシング

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現在の仕事に就くきっかけは、統合ソフト(ワープロ、表計算、データベース)のマニュアル・表計算編を書くことだった。

当時の表計算ソフトは、カルク(Calc)という分類で、まだ日本になかった「1-2-3」(ワンツースリー)に近いもの。表計算がまったくわからず、もう一つの雄=マルチプランと比較しながら研究した。

毎日夜遅くまで数人と議論しながら、何が便利なのか、どう解釈すべきか、どう使うか、ソフトを動かしては整理し続ける日々。原稿を書くまでの検討会が長かった。

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当時「エクセル」はマックにしかなく、マックも高くて店頭で見るのがせいぜい。エクセルに触ることもできなかった。まだエクセルが出ていなかったかもしれない。

カルクの流れから「1-2-3」を使っていたが、エクセルが日本に入ってきて、操作性が良く、SUM関数の入力が簡単なので、乗り換えた。「1-2-3」は世界シェア70%以上などといわれた時代に、マイクロソフトが仕掛けた表計算戦争は、意外と速くけりがついた。多くがエクセルに乗り換えていた。「1-2-3」のデータと互換性があるといわれていたが、少し違うこともあり、苦労したが、僕も「エクセル」中心になり、そのうち「1-2-3」を見限った。

この本に、そんな長い長い表計算ソフトの歴史が詰まっているわけではない。

エクセルは、初心者にはなじめないが、ビジネスでは結構使われている。中級者にも必須のソフト。そのソフトの使い方を、初級者・中級者向けに実践を中心としてまとめたものがこの本。

使い方もそうだが、こんな場合どうする? が、エクセルの大問題。例題を参考に作り方、使い方を解説した。エクセル 2007のバージョンアップ版だが、新しい機能なども紹介し、関数の使い方も豊富。ページ数に比して軽いので、バッグに入れて持ち運びも楽。

10月 6, 2011 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年6月27日 (月)

三四郎の姓は?

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夏目漱石の『三四郎』。確か高校の教科書に出ていたような気がする。すっかり読んだ気になっていた。

帰りの電車では、スマートフォンでニュースサイトを開き最新情報を調べる。文字が小さいこともあり、ざぁーと目を通す。

読み終わると、青空文庫(ホームページ)から取り込んだ『三四郎』を読む。読むアプリ(ソフト)は「豊平文庫F」。文字が大きく、ひんぱんにめくることになるが、読み進めやすい。著作権フリーだから無料。文庫本は老眼鏡なしでは苦しく、満員電車で文庫本を開けるのは至難。スマートフォンも前の人の背中と背中の間なら、少しスペースがあり、出して片手で操作できる。

読んでみて、覚えていたのは三四郎池での話。上京話や学生生活は記憶にない。やはり読んでいなかった。

この有名な三四郎。名字を知らなかった。
そこで、問題です。
さて、三四郎の姓は、何でしょうか?

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肝臓は、五臓六腑の中でも特に大切な臓器。優しく優しくいたわるのが大切。暴飲暴食はいけない。姫、そうですよね。

答えは、小川三四郎でした。

6月 27, 2011 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年6月20日 (月)

『エコノミック ガーデニング』山本 尚史著 - 地域活性化を目指す新しい実践手法

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日本、世界の動きは激しく、一地方が鎖国を決め込むことはもはや不可能な時代。昔から大企業の工場を誘致し、雇用を創出し、国直結で地域経済を作るのが、地方の決め手であった。この魔力もだいぶすたれ、地方があえいでいる。全国の地方自治体が地方主権を叫びはじめたのは、中央政府、大企業からのアメがそろそろ限界に達しているからだろう。

Book

節約の園芸術、と誤解されそうな「エコノミック ガーデニング」。地域の頑張り屋さんを、地域主体で育てて、地域の活性化につなげようとする手法。地域の畑に、地元の水や肥料を使って育てようというもの。

使われる手法は、さすが現代的。インターネット。特に地理的な情報をデータベースにして活用しようとする。いまネットは、地理情報が熱い。スマートフォンが加速に手を貸しているが、GPSなどが身近に利用できることが背景にある。この一帯の人は若い人が多く、クーポンに敏感。チラシの効果は翌日曜日。商圏は500メートル以内……。これまで調べ上げられている情報に、現在の動きのある情報を加え、インターネットでオープンにすれば、中小企業主体の地方も活性化する。

アメリカの地方都市で始まったエコノミック ガーデニングは、そのまま日本に適用できることは少ないが、その手法はこれまでのお上的発想から脱却し、インターネットという武器を手に無手勝流で突き進む感じがして面白い。インターネットの魔力を活用できそうで頼もしい。これから地方を活性化させる、素晴らしい手法だ。

純朴な山本さんが熱く語る地域経済コンシェルジュには、既存の枠を壊し、新しい地域スタイルを構築しようという野心的な人間像が反映している。

山本 尚史 著
『エコノミック ガーデニング』
新建新聞社刊

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昔、野原に雑草のように生えていたものだろう。白と黄色が懐かしい。もしかして違うかも。季節は秋だったかな。

6月 20, 2011 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年4月 7日 (木)

ウィンドウズ XPを初歩からやり直すなら……『楽しもう! パソコン』

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この4月から始まったNHK教育テレビ「らくらくデジタル塾」をご覧の方には、新しいパソコンの画面を目にしても参考にならないと嘆いている方もいるはず。

自分のパソコンは、ウィンドウズ XPなのに、番組はウィンドウズ 7。まだ使えそうだし、できるようになったら新しいパソコンを買うつもり……という方もいる。

何か参考になるものはないかしら? ときどき声がかかる。テキストと同じように優しく手ほどきしている本があります。NHK出版『中高年のパソコン手習い塾』シリーズです。

ウィンドウズ XPなら、シリーズの中の『楽しもう! パソコン』がおすすめ。

何と手前味噌な話。

先日、メールの添付について不安だという方に手ほどきしてから、この本をご覧ください、とプレゼントした。すると、翌日、大阪の姉に話したら、持っていたと驚いていた。意外と教え合わないのかもしれないけど、お持ちの方は、是非ほかの人に勧めてください。お持ちでない方は、本屋さんでお確かめください。

本屋さんにないこともあるので、その節は注文するか、NHK出版のホームページをご覧ください。

NHK出版『中高年のパソコン手習い塾 楽しもう! パソコン』
https://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=C5010101&webCode=61876262005

悠気奏 - コスモメディのホームページ
http://www.cosmomedy.com/

4月 7, 2011 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月28日 (日)

使ってみたくても使えなかった修正テープ

Nigaoe_26 ちょっと恥ずかしい話。

印刷した原稿に赤ペンで朱書きして、その赤を修正するとき、二重線を引いて取り消した上に、文字を手書きする。社内なら許してくれるが、社外の場合は、原稿が汚くなるので修正ペンを使っていた。

その昔は、ハケの付いた修正液。白い塗料をハケで塗って消し、乾くのを待って、上からボールペンで書き足す。じれったくて濡れている上から書くと、インクが載らないだけでなく、ボールが詰まってボールペンをだめにする。

修正ペンになったとき、ペンを持つように修正でき、乾きも早いので、こりゃ最高と使っていた。時代が進むと、原稿に赤を入れて客筋に届けるということがなくなり、修正ペンを使うチャンスがなくなっていた。

数年使わないままの修正ペンが置いてあった。

先日、懐かしいことに赤入れ原稿を届けることになり、ほらっ、修正液みたいでテープみたいなもの、ない? とスタッフに聞いたら、各自持っていた。事務用品として用意してあるとは思っていなかったので驚き。自分で買ったのかもしれない。ある? と聞いたら、余分にあったので借用。

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出張先であの修正テープを使っている姿を見て、カッコイイと思ったのは僕だけだろうか。おしゃれ! とあこがれていた。文字がすっきり消える。使う機会などないと手にすることをあきらめていたから、自分で使うことになり小躍り。

はじめてだとうまく消せないよ! まっすぐ引けるかしら? 修正テープの上に修正テープを載せるのは難しい! などといらぬお節介が飛んでくる。あの格好良さは確かに身不相応とはいえ、テープを引くだけだろう、何をオーバーな! と使ってみる。

確かに少し難しいが、何のことはない。文字がきれいに消えているとはいいがたいが、消えていることに違いはない。赤いカスが残っているが、気にしなけりゃいい。その領域に目を向けなければいいわけで。二重線で書くよりは美しい、はず!

11月 28, 2010 書籍・雑誌 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2010年11月25日 (木)

中高年のパソコン手習い塾「ウィンドウズ7ではじめよう! ワードとエクセル」 NHK出版編

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お待ちかねの「オフィス 2010」対応の手習い塾。なんと20冊目です。

「オフィス 2010」といえば、「ワード 2010」「エクセル 2010」。「ワード 2003」からウィンドウズ 7に乗り換えた人にとっては、ウィンドウズの操作も戸惑うが、「ワード」はもっと難解。予定通りに動かない! と結構悲鳴が聞こえる。そのあたりを実際に作例を見ながらじっくり操作して覚えていこうという話です。

わかりやすく、しかも初歩からはじめるので、少しずつ覚えられる。

はじめに、封筒を作りながら「ワード」の基本的な使い方を覚える。「ワード」といえば、文字の入力や文書作りというのが常識のようになっているが、ちょっと違うでしょう。これからは文字を入力しても、少しだけでもおしゃれにしたら違った雰囲気を出せる。封筒だって自分で作ったものには愛着が生まれる。

続けて、便せん、誕生日カード、会報、チラシ、医療費計算表、住所録、はがきあて名印刷と、少しずつレベルアップ。終わると、ワードとエクセルの使い方に自信が付くのでは……と期待しています。

とにかくはじめることが大事。たくさんの機能を覚えるより、よく使う機能に馴染んでから飛躍してみましょう。

中高年のパソコン手習い塾「ウィンドウズ7ではじめよう! ワードとエクセル」 NHK出版編

11月 25, 2010 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年7月24日 (土)

中高年のパソコン手習い塾「ウィンドウズ7ではじめよう! パソコン」 NHK出版

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お待たせしました。昨年10月に出たウィンドウズ7の入門書。ウィンドウズ7パソコンが登場してからすでに9か月。だいぶ苦情が出ていた。早く出して欲しい! まだ出ないの?

いろいろと事情があり、この時期になってしまった。もうだいぶ操作に馴れてしまったから不要では? とお思いの方も少なからずおられるかも。

すでに使っていても知らない機能はけっこうある。知っておくと便利な機能も数多い。

ウィンドウズ7パソコンを買ったけど、何をどう使えば? と悩んでいたら、立ち読みしてみてください。

この本では、ウィンドウズ7の基本的な使い方を、7つのサンプルを元に解説。デスクトップ、付せん、インターネット、メール、デジタル写真、ワード、エクセル。ひととおり基本をワンステップずつゆっくり進む。

ウィンドウズ7からはじめた人はもちろん、ウィンドウズXPから乗り換えたけど、勝手がよくわからず悩んでいる方にもお勧め。

NHK教育テレビ「らくらくパソコン塾」のテキストに馴染んでいる人は、きっと読みやすいはず。みんなで集まってパソコン学習をしている人たちのテキストにも利用できる。

遅くなった分、痒いところに手が届くように配慮している……つもり。

すでに20冊近くになる手習い塾シリーズの最新刊。
手に取ってみてください。

7月 24, 2010 書籍・雑誌 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2010年1月 9日 (土)

速読、脳トレに効果的? 『カラマーゾフの兄弟』

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学生の頃、ドストエフスキーブームだった。大半の小説を読んだはずだが、覚えているのは『罪と罰』でおばあさんを殺した主人公が階段を降りるシーン。殺人に正義があるかどうかで友人と議論して、このシーンを強烈に言いつのった記憶がある。

すでに35年以上経つので、さすがにほかの作品の記憶もおぼろ。出てくる女性がやたら記憶を失って倒れるものだ、と感心した。現実もそうなのだと疑わなかった。

コタツの上に読みかけの『カラマーゾフの兄弟』があった。最近亀山訳でブームになったから息子が読んでいたもの。読み終わったら、貸して! と声をかけた。いつでもいいよ、3巻で断念、と返ってきた。かなりの長編。ほかのものを読み終わってから読むことに。

とにかく独白が長い。数ページどころか、十数ページに及ぶこともある。相手がいるシーンだから、よく数時間もじっと聞けるものと驚く。とにかく長い。しかも1巻目と2巻目はわずか2日の話。ダンブラウンも1日が上下巻だから驚異的だが、これは展開が速い。カラマーゾフは独白に次ぐ独白。精神世界が広がるから、展開は広い。

いま話していることがどんな場面かを意識しないと筋が追えなくなりそうと、読むスピードを上げる。その場面を常に意識して、全体の流れを追いながら独白を読む。

読む時間は、帰りの電車と風呂上がり。帰りの電車は込んでいて本を開けないこともある。風呂上がりは、疲れていてものの数分読むと、コタツの中で寝ている。1日に数ページも進まない。とにかくピッチを上げるが、全5巻。先が見えないまま、読み終えることを目標にした。

同時に進行している話がだいぶ経ってから語られる。全体の場面を意識しないと、展開がわからなくなる。独白を読みながら、これは誰に向かって語っているのか、どんな場面からこの話になったのか……と意識するうち、話を二重に意識することになる。これはかなり脳トレになる。

2か月はかかったはず。正月読んでいたら、諦めたと思っていた、と彼女の弁。面白いし、脳トレになる、と返した。

『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー著、亀山 郁夫訳
光文社文庫
お勧め度:★★★★☆

1月 9, 2010 書籍・雑誌 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年11月29日 (日)

恒例の年賀状本の隣りに並んでいた「パソコンキーボード」「パソコンマウス」

Nigaoe_13 新刊が出たので書店をのぞいてみた。あった! 目立つところに。ひと安心。

これまでの手習い塾シリーズとは違うワークブックシリーズ。書店の扱いがどうなるか不安だった。しかも年賀状本がたくさん出ている時期。きれいなホワイトに大きい文字。スッキリしている。

どんな反響かすごく不安。長く置かれると嬉しいが、書店ではそんな扱いはしないだろう。この時期にどれだけ出るか? 年賀状本が消える来年正月以降の扱いが勝負かな。

11月 29, 2009 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年11月25日 (水)

『中高年のパソコンワークブック クリックしてなれよう! パソコンマウス』NHK出版 監修:佐々木 博

Mouse まだマウスに慣れない頃、ドラッグして人差し指が震えた。作業が終わったら、手を振って緊張を解きほぐす。力が入りすぎたり、長いことマウスを使って、腕や手が痺れることがあった。いまにして思えば、力なんか入れなくても済むのだが、どうしても力を入れないと動かせなかった。

ダブルクリックが上手くいかず、早くカチカチッと動かそうとして指に力が入り、ダブルクリック恐怖症になったこともある。そのうち、少し間をおいてもダブルクリックになると分かってからは、無理にカチカチッとしなくなった。力が抜け、楽にダブルクリックができるようになった。

パソコンにマウスは必須。クリックやダブルクリック、ドラッグと、あんな簡単な装置でもいろいろな使い方をする。最近は右クリックができないと、手間掛かることが多い。

マウスはとにかく慣れるに限る。でも単に練習ではつまらない。使う場面で覚えながら練習してみる。操作のしかたは同じでも、場面によって使い方は異なる。いろいろと試しながら、パソコンの使い方にも習熟するのが、この本。

同じ操作に慣れるには、ゲームが最適。フリーのゲームソフトでダブルクリックやドラッグに慣れると、意識しないでマウスを使えるようになる、はず。
マウスの練習をしながら、パソコンが覚えられます。

『中高年のパソコンワークブック クリックしてなれよう! パソコンマウス』
NHK出版
監修:佐々木 博

11月 25, 2009 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月24日 (火)

『中高年のパソコンワークブック すばやく正確に入力しよう! パソコンキーボード』NHK出版 監修:佐々木 博

Key パソコンを覚えようとしていた頃、とにかくいらだったのが、入力スピード。書いた方が早い、と何度も何度も諦めようとした。はじめから書き直さずに済む、とパソコンに戻った。

ローマ字読みが分からず適当に打つと、案の定、誤変換。当てずっぽうでさまざまな読み方を打ってみてやっぱりダメ。仕方なく一文字ずつ入力したり、本の付録のローマ字かな対応表を探し出して、そうかと納得。

そんな苦労の連続で何とかキーボードに少しずつ馴染んできた日々を思い出した。

ローマ字を手書きし、日本語に多い拗音や撥音に慣れてから、キーを押して読みを入力。読みさえ正確に入力できるようになれば、スペースキーで変換は難しくない。

入力ミスは誰でもあるが、キーの位置を覚えるまでが歯がゆい。実体験をもとに入力に慣れるまでのステップを、ゆっくり、じっくり、覚えられるようにした練習帳。

机に置いた本を見、顔を上げて画面で確かめ、少しずつ慣れたら、フリーのタイピングソフトで画面を見ながら練習。キーを見ないで入力できるようになる、はず。

キーボードアレルギーの方、入力にお悩みの方に是非お勧めの本。さまざまなノウハウやテクニックが随所に散りばめられているので、本を見ながら練習してみましょう。

『中高年のパソコンワークブック すばやく正確に入力しよう! パソコンキーボード』
NHK出版
監修:佐々木 博

11月 24, 2009 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年7月13日 (月)

朝日ジャーナル 復刊

Nigaoe_16 だいぶ前になるが、朝日ジャーナルが週刊朝日の増刊号として1号だけ復刊した。巻頭に編集者の熱い想いが語られていた。寄稿や会談などは、懐かしい人から最近の人気者まで幅広い。

大学に入った頃、毎週買っていた。エコノミストもときどき買った。そのうち、立ち読みでのパラパラめくりに変わった。足りないものを感じていたのだろう。広く浅く情報を手に入れるのに読んでいた。当時、共産党、社会党、右翼のものと、幅広く情報を手に入れる、というのが鉄則だった。左翼ものに片寄っては狭くなる、と指弾された。(そういえば、自民党ものは読んでいなかったな)

復刊号では、現在の捉えどころのない状況を切り開こうとしている感じは伝わったが、現実と切り結んでいる気がしなかった。それなり、という感じ。

論理で切り取るには、複雑で多面的な現状。しかも展開が速い。類型化しようにもままならない。漠たる現在に哲学不在のまま爆走している。思想などというものはそんなものと高を括っても、不安やストレスが高じてしまう有り様は変わらない。

寄らば大樹の陰、と歴史的な思想に身を託すことから解放されたとはいえ、相対化の荒波に呑まれて自分まで泡粒と消えようとしている。現在を切り裂いてみるだけでも価値がある。相対化が生む優しさも切り開いてみる必要があるかもしれない。

50周年とはいえ、思想誌が消えゆく時代にあって、「硬派」の編集者が残っていたことに正直感動しました。だぶつき始めた体と鈍った頭を柔軟に鋭くしたいものだ。

7月 13, 2009 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月19日 (金)

読後の解放感 『1Q84』 村上春樹著

Nigaoe_02 夜遅く家に帰ると、テーブルに本が2冊置いてある。1冊は『バガボンド』、もう1冊は『1Q84』。発売日当日、朝早く息子が手に入れたものだった。大学生だから、うまく入手する方法があったようで自慢していた。ニュースでは知っていたが、それほどかと高を括っていた。

その晩は『バガボンド』を読む。前巻を思い出しながら、何とか本に入れた。『1Q84』は後回し。読み途中のものがまだ下巻だった。翌日息子と話したら、上下巻で現在上巻読んでいる。急がなくてもいいけど、と次の予約を入れる。数日後、下巻に移ったと声がかかる。さらに数日して上巻に着手。忙しさもあり、寝る前に本を開くと、数ページもしないうちに寝ていた。何とも進まない。

そのうち、入り込む。電車の中でもボヤーとした文字を目を細めながら追いかける。1月以来の日曜日休みは出かけたりもするが、まとまって読めるチャンス。

読むスピードは速いほうと思っていたが、思いのほか下巻に進まない。夜中も夢中になるわけにはいかない。翌日が辛いと、目が塞がったら布団に入った。

子ども時代を思い起こしつつ読みふける。かなり違いがあるが、思い起こせば、こんなこともあったと想いに耽ることも。1984年は第一子が生まれた年。あの夏は暑かった。赤ん坊がいるからと、夜クーラーを入れることもできず、夜泣きに外にダッコして出たことがあった。とにかく暑かった。

読み終わったのは、夜4時ちょっと前。まずいまずいと布団に入る。翌朝、解放感に驚いた。重かったのかもしれない。肩も少し軽くなったよう。数日経っているが、解き放たれた軽さと同時に、重さが尾を引いている。

6月 19, 2009 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月14日 (火)

三国志

風呂から上がってきたら、テレビのチャンネルが変わっていた。中国映画のよう。もしかして「レッドクリフ 1」? しばらく見て、もうダメ~と、チャンネルを変える。

吉川英治の三国志を読んでいた。昨年、文庫本で北方謙三の三国志を読んだ。作者によって書き方が違うのに驚きながら、読み続けた。北方謙三の三国志は、思い入れがすごい。吉川英治のは淡々としながら、奥に気持ちがこもっている感じ。関羽の死ぬ場面を思い出して読みたくないと、しばらく本を開かないでいた。開いて読み進めたら、北方本ではさりげない。壮絶な死はない。かなり書き手で違う。張飛の死もそう。北方はかなり違う。
映画なら、盾や鉾がどんなものか、騎馬隊の颯爽とした闘いとは……などとイメージを広げていた。映画をチラッと見て、まずい、想像がつぶされる。チャンネル切り替え! と相成る。

4月 14, 2009 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年2月27日 (金)

『深海のYrr(イール)』 フランク・シェッツィング著 北川和代訳

年末年始に休みを3日取ることに決め、本屋で買い求めたのが『深海のYrr(イール)』。文庫本ながら1冊500ページ超が上中下3冊とボリューム満点。1日1冊のつもりが、テレビっ子ゆえ炬燵でのテレビ鑑賞となり、1冊すら読み終えないまま新年を迎えた。

とにかく長い話し。スケールはグローバルだけでなく、太古から進化にも関わり、人類滅亡まで至る。1冊1日どころか10日以上かかり、約1か月オーバーで読破。普段は夜遅く帰ってからの30分程度。ときには、3分も読めない。炬燵で寝てしまう。

最先端の知識を集約しても解決不能なDNAの問題を、人間臭さで解決してしまうところが読みどころか。『ダ・ヴィンチ・コード』を上回る面白さと帯にあった。スケールの深さと広がりは確かだが、計1500ページ超には若干驚き。もう少し詰められるのに……などとため息をつきながら、何とか読み終えた。

忙しい中で、読み続けることを使命にして時間を作って読んだ。映画化されるそうだ。映像化するには金がかかるのでは……と心配してしまうほどビジュアルな内容。映画が貧弱にならなければ……と危惧してしまう。

『深海のYrr(イール)』 フランク・シェッツィング著 北川和代訳 早川書房
お勧め度:★★★☆☆

2月 27, 2009 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年10月25日 (土)

NHK出版『中高年のパソコン手習い塾 ビスタで楽しもう! デジタル写真・基礎編』 監修:佐々木博

Kihon_coverデジタルカメラは一家に1台どころか、一人に1台のご時世。さらに携帯電話のデジカメまで普及。とにかく写真が身近になった。

最近は、コンパクトデジカメからデジタル一眼レフカメラに移っているようだ。写真の質を求める傾向が強くなっている。プロの写真を見ると、何とか近づきたいものと思うのは自然。

でも、撮った写真、パソコンで眠っていませんか?
アナログ時代は、撮った写真は現像しないと目にすることができなかった。デジタルなら液晶で見れる。パソコンに取り込んでスライドショーですぐ見ることができる。しかも、フィルム代わりのメモリーカードは、何度も使い回しできる。パソコンの中は、写真の山。大事な記録が死蔵している。

そんな写真を生き返らせようというのが、この本。写真をそのままプリントするのもいいが、ちょっと飾ったり、絵はがきに入れたり……。いろいろと活用する方法ってある。特に年賀状シーズン突入。年賀状ソフトでなくても、「ワード」で写真入り年賀状を作ってみるのも悪くない。

写真の活用法を知っていると、写真の撮り方も変わってくる。フォトフレーム(写真立て)用、アルバム用と意識していると、撮る視線が変わり、構図を意識するようになる。溜まっている写真の活用だけでなく、これからの撮影にも影響する。

そんな活用法を、身近なソフト「ワード」で試してみるのがこの本。ビスタの「ワード」は、とにかくカラフルな文書を作るのが得意。写真を入れると、さらに光る。写真は見せ方でいろいろ変わる。「ワード」で簡単にこんなことができるのか、と驚くかも知れない。


目次
1. デジタル写真を取り込もう
2. 写真を整理しよう
3. 写真を保管しよう
4. 絵はがきを作ろう
5. あて名を印刷しよう
6. フォトフレームを作ろう
7. アルバムを作ろう
8. CDラベルを作ろう
9. 壁飾りを作ろう

NHK出版『中高年のパソコン手習い塾 ビスタで楽しもう! デジタル写真・基礎編』
監修:佐々木 博

10月 25, 2008 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年8月 9日 (土)

『ハリー・ポッターと死の秘宝』 J・K・ローリング著 松岡佑子訳

発売に行列までできたシリーズ最終巻。発売日当日、本屋に出かけたら、いつものように山と積まれていた。時間を見つけては読み進め、京都行きではどこでも本を出して読み、帰りの新幹線で読み終わった。

仕掛けがいろいろと込み入っていたり、6巻までの内容を思い起こさないとつながらないこともあった。特にはじめのうちは、忘れていることも多く、読み進むにつれ、記憶が蘇ってきた。

発売からだいぶ年月が過ぎ、我が家の子どもも大人になり、相手にしなくなっていた。最後の巻だと力んでいるのは1人のみ。まあ当然ともいえる。最後が気になって読んでみようかという気分になっているのは、歳をとっても気持ちだけは若作りの僕だけだった。

結末はおおよそ想定がついていたが、どのような流れでそこに至るかを知りたい。上下巻だから、とにかく長い。少しずつ謎が解き明かされる。ロールプレイングゲームのような謎解きビジュアル。映画向きの構成。イメージが広がる。何度もゲームをやっている感じに陥った。1直線なのが構成的に気になった。思い返すと、6巻までもそうだったかもしれないが、もっと場面展開があったような気がしていた。こんなものかもしれない、と納得。

お勧め度:★★★★☆

8月 9, 2008 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月30日 (水)

NHK趣味悠々「ペーパークラフトを楽しもう!」お手伝い

Paper_kraft 紙細工って、奥が深い。いまだかつて千羽鶴が1人では折れない。そんな紙だけ作品を創り上げるというから素晴らしい人たちがいる。
ペーパークラフト。紙を折る、切る、貼るだけで、動物や車、雑貨など何でも作ってしまう。等身大のゾウガメや犬、虎まで作る。形を想像しながら、のりしろを考えて図面を描いていくのだろう。出来上がった作品は、紙の温かさがあり、何とも微笑ましい感じに仕上がる。
最近、ペーパークラフトが人気だそうで、ネットでもアクセスが多いらしい。キヤノンのペーパークラフトサイト「クリエイティブパーク」も人気サイトのひとつ。自分では図面を引くまではできなくても、展開図があり、作り方が書いてあればできそう。最後まで千切れずにできるか、辛抱強く完成できるか。きっとこれが問題だろうが、できたときは、次を病みつきになりそう。
一度お試しあれ。

7月 30, 2008 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月25日 (金)

NHK出版『中高年のパソコン手習い塾 使いはじめのQ&A』 監修:佐々木博

Hyou_1 「中高年のパソコン手習い塾」シリーズ16段が発売されました。タイトルは『使いはじめのQ&A』。ウィンドウズ ビスタとXPに対応しています。

パソコンを使っていると、こんなことがしたい! あれはどうする? などと悩んでしまうことがあります。よくある困ったときの対策というより、こんな風にするにはどうする? という前向きの悩み。そんな悩みに回答したものがこの本です。

60の問題に、1つ1つ回答しています。ときにフリーソフトを利用したり、データを準備したりと楽しみながら読めるはずです。ウィンドウズXPにも対応しているので、自分のパソコンをより快適に使えるようになります。ウィンドウズ ビスタに乗り換えたときも、そのまま使えるのもメリットです。

主なQ&Aを見てください。
・パソコンの立ち上げを早くできる?
・アイコンが多すぎて探しにくい!
・ソフトを動かせなくなった! どうする?
・ファイルを捨ててしまった! 元に戻せる?
・ビスタのメールソフト、どこが変わった?
・メールをバックアップできる?
・1人の複数メールアドレス、登録できる?
・ホームページがなかなかひらかない! なぜ?
・写真を探しやすくできる?
・印刷できない! なぜ?
・ハードディスクの読み書きを速くできる?
・ほかの人にデータを見られないようにできる?

ぜひ書店で手に取ってご覧ください。お役に立つはずです。

●NHK出版編『中高年のパソコン手習い塾 ビスタで楽しもう! パソコン 使いはじめのQ&A』 監修:佐々木博

7月 25, 2008 書籍・雑誌 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008年6月27日 (金)

NHK趣味悠々「中高年のためのパソコンシリーズ パソコンソフト活用術入門」

遅くなりました。6月25日、NHK教育テレビ趣味悠々、7~9月放送の「中高年のためのパソコンシリーズ パソコンソフト活用術入門」のテキストが書店で発売されました。

番組はきっと大幅に変わり、面白くなるはずです。テキストは、盛りだくさんです。内容充実といってよいでしょうが、世間の評価はまだまだです。
しっかり書こうと思いましたが、頭がついていきません。さすがにボケ回っているか、それとも、疲れか。

ということで、とりあえず報告だけで、すぐ最新情報をお届けします。

6月 27, 2008 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年2月 6日 (水)

『海国記』 服部 真澄著

Kaikokuki_01 貴族が優雅な文化を謳歌した平安時代。『源氏物語』でも華やかな様子が窺える。藤原道長以後、徐々に武士が勢力を伸ばしてくる時代を背景にした歴史小説が『海国記』。

瀬戸内海が海の道として栄えていた時代。地方の産物を平安京に送る手段は、やはり船。有能な舵取りが、中国・宋との貿易を手がけようとする。朝廷に取り入りたい平家とつながる。平家は巨利を得、社殿を建て、宋書を贈る。不可思議な少女が後に朝廷に寵愛され、血縁で平家が中枢に伸びていく。

このあたりの前半は、不可思議な夢と時代が錯綜した感じでスケールが大きい。その後、平家、源氏と時代が流れるにつれ、海の道も魅力的な筋立ても少しずつ消え、平家・朝廷・源氏の闘いに話しが移る。平安時代後期から平家、源氏、そして鎌倉幕府……と数世代を追いかけている。

血縁が命の時代だったことを思い出してしまった。

『海国記』服部 真澄著 新潮文庫
お勧め度:★★★☆☆

2月 6, 2008 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年11月26日 (月)

中高年のパソコン手習い塾「ビスタではじめよう! エクセル」 佐々木博監修

Vista_excel_2  「エクセル」と耳にすると、関係ない! と思い込んでしまう人が多い。計算は電卓で十分! 数字って苦手! とはなから相手にしない人が多い。確かに計算には便利なソフト。いろいろな計算が簡単にできる。でもエクセルは計算ばかりではない。
この本では、エクセルでできることのうち、あまり計算に関係ないことを多く取り上げている。まず、エクセルの広がりと便利なことを中心に取り上げてみた。

エクセル=計算、と決めてかかる人の多くが、難しい表計算の概念に当惑。セル、セルカーソル、列、行……。マス目(セル)は、縦横にあって、自由に配置できない。計算しようとすると、「参照」という考え方に悩んでしまう。
そんな悩みを少しでも解消したいと、エクセルの基礎の基からはじめている。セルなどの概念って、使っているうちに馴染んで仕舞えばいい。最初から「セルとは」などと構えられると、正座して構えるしかない。ワードで表を作っているといろいろ悩むことが多い。エクセルでも同じように悩むことは多いが、表を作ることにはエクセルが長けている。でも実際使おうとすると、縦横に区切られたマス目が自由さを奪ってしまう。このあたりがエクセルの基本的な問題。

でも、マス目を利用すると、いろいろなものが作れる。身の回りには表を使ったものって結構ある。カレンダー、リーグ戦の対戦表、歩数計の歩数表……。いつもなら、ワードでこれらを作る。結構時間がかかる。表が得意なエクセルなら、意外と簡単に作れる。
特に住所録などは、エクセルが便利。ワードで作ると、ページ幅に収まるようにすると、どうしても項目数が少なくなる。メールアドレスや携帯電話などが収まらない。エクセルなら、どこまでも横長い表を作れるから、1人の情報をまとめるのに便利。

エクセルの便利なことの1つにグラフがある。毎日計った歩数や血圧などは数字を入れておくだけで、グラフができる。グラフって、数字の動きがパッと見てわかるので重宝する。折れ線グラフで見ると、細かい数字より、いつ数字が高いか、低いかなどがすばやく見て取れる。ゴルフのスコアをグラフにするのもいい。

囲碁や将棋などの対戦表もけっこう頭を抱えるはず。ワードで作ると、表作りに手間がかかる。エクセルなら、勝ち負け数も簡単に計算できる。

便利とはわかっていても、実際に踏み込めないのがエクセル。少しずつ作例に合わせて作りながら覚えてみましょう。

作例は、参加費の合計表、会員名簿、歩数のグラフ、リーグ戦の対戦表、カレンダー、予算表。
是非、本屋さんで手にとってご覧ください。

『中高年のパソコン手習い塾 ビスタではじめよう! エクセル』 佐々木博監修 NHK出版

11月 26, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年11月25日 (日)

中高年のパソコン手習い塾「ビスタではじめよう! ワード」 佐々木博監修

Vista_word お待たせしました。「ワード2007」の手習い塾本が発売。
6月発売の手習い塾シリーズから、ウィンドウズ ビスタ対応になりました。『ビスタではじめよう! パソコン』でワードを使ったサンプルを2例紹介しましたが、今回はワード2007の基礎からはじめるもの。

ウィンドウズ ビスタに変えたり、新しいパソコンに買い替えて、さっそくワードを使おうと開いた画面に驚く人は結構多いはず。僕も最初見たとき、戸惑ってしまった。何しろメニューがない。操作のしかたが違う。文字は入力できるけど、さて次は? まず頭を抱えることからはじまるワード2007。

発売元のマイクロソフトは、ユーザーの使い勝手を研究して大幅に変えた。今後のソフトの考え方として、新しい操作方法を提示。これまでのメニューから探って機能を選ぶという操作は変わるはず。いままでツールバーによく使う機能がアイコンになって並んでいた。これをほぼ全機能に広げたのが、ワード2007。タブを切り替えると、ほぼ全機能が画面上部に並ぶ。隠れていて使いたくてもどれかわからなかった機能が、おもてに出てきた。しかもクリック操作は少ない。操作性が格段によくなった。もちろん、慣れないとはじめは辛いこともある。
僕はメニューから辿るのになれていたので、画面上部のリボンから探すのに手間取った。タブを切り替え、ここにあるかと探すと見つからなかったり……。でも慣れると、簡単。慣れるまでは何回か試すしかない。

もちろん、操作性がよくなっただけではない。今後の文書はビジュアルでメリハリのあるものになるという確信のもと、色などの使い方が大幅に変わった。写真は単に見せるだけでなく、オシャレに影つけたり、3Dにしたり……。あきらかに文書のカラー化を狙っている。これまでビジネス文書臭いモノクロものばかり作っていたとすると、これからはカラフルな色ものに変わることを意識している。色などのひな形も多く、しかもけばけばしい色使いを避けるようなひな形をあらかじめ用意している。

大胆な変更に戸惑っても基礎からはじめられるように、基礎の基からはじめたのが『ビスタではじめよう! ワード』。少し変わった漢字変換から年賀状などのあて名印刷まで、少しずつレベルが上がっていく。ワード2007の使い方を覚えながら、カラフルで実際的なサンプルを作るのは、これまでと同じ。
これまで作例を作ることが中心で、あとであの機能の使い方は? と悩んでおられた方もいた。そこで、できるだけ同じ機能の使い方は、近くのページにまとめた。辞書風に引けると嬉しいのですが……。

作例は、お知らせ文、写真入り縦書きはがき、旅の日程表、案内図、会報、はがきのあて名印刷。すぐに役立つ作例。
是非、本屋さんで手に取ってご覧ください。

『中高年のパソコン手習い塾 ビスタではじめよう! ワード』 佐々木博監修 NHK出版

11月 25, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年11月23日 (金)

『私家版・ユダヤ文化論』 内田樹著

Rimg0145_256 ユダヤ研究家にとっては緊要なユダヤ主義・反ユダヤ主義の論点と、内田樹の立場が表明された本。反ユダヤ主義が成立する根拠を、宗教の成り立ちや心理的な側面から説き起こした野心的な論。

書名に「私家版」と入れざるを得ないほど、立場を鮮明にせざるを得ないユダヤ文化論をかなり大胆な論理で展開している。本を読むまで、2000年にわたるユダヤ民族の受難の歴史を忘れていた。ユダヤ民族は、ある時期にそう呼ばれることによって成立した。その歴史が何度となく繰り返されることによって、強烈な印象を与えて今日に至った、という言い方をサルトルやレヴィナスが語っていた。一般的に民族とは、他から宣言されることによって成り立つという言い方が正しいかどうかはわからないが、ユダヤ民族は他との関係から成立するという論理には納得してしまう。何度も現れる反ユダヤ主義がユダヤ民族を創り出した、ということ。

この論に至るまで、いろいろな話しを持ち出す。説得的。ところが、しつこいくらいのこの論に至ったかと思うと、内田樹は、いや違うと自分の見解を述べる。だが、その自説の展開は、それまでの筋道立った論理構成からすると、すごくサッパリとしている。きっともっといいたいことがあるのだろう。紙数の都合で結論を急いだ感じがする。

明確な論理展開とスッパリ切り捨てる心地よさは、読んで面白い。

『私家版・ユダヤ文化論』 内田樹著 文春新書
お勧め度★★★★☆

11月 23, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月28日 (金)

水滸伝

毎月20日、北方謙三著『水滸伝』の文庫本が発売されている。今月が12巻だから、まだまだ続く。毎月、20日が楽しみ。確か6月だったか、30日発売に変わったことがある。本屋にない。もしかして売り切れか、と焦ったことがある。増刷はまだかと、何度か書店に顔を出したら、30日発売に変わっていた。

今月、やっと手にした。本屋に行きたいけど、重い腰が動かない。手にしたら、一気呵成に読んでしまうはず。そんな余裕はない。我慢に我慢。もう糸が切れかかっていた。さすがに我慢もストレスなどと、勝手な言い訳で本屋に。手にしたら、いつ読めるかわからないもどかしさを抑えつつ、嬉しさに浸っていた。きっと電車で読んでいるうち、いっきに読んでしまうのかも。

話はだいぶ進んで、梁山泊も規模が大きくなり、闘いが中心になる。あちこちと飛んでいた話も、1つの闘いの話が長くなる。国家がまともに対してくるのだから、凄まじさも際立ってきた。その話に一喜一憂。単行本が既刊なので、続きを読むこともできるのだが、1か月に1冊、1年半以上に亘って追いかけるのも悪くない。この先どう進展するか、毎月楽しみ。

9月 28, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月11日 (火)

『異次元は存在する』 リサ・ランドール、若田光一

Rimg0005_400 理論物理学者や数学者の頭がどうなっているか、不思議なもの。何しろ、小難しい数式で世界をイメージし、語ってしまうのである。アインシュタインの一般相対性論に限らず、1行の数式で宇宙をはじめとする世界、時空間を語るのだから怖ろしい。論理をどこまでも純化し、論理化する頭の構造には恐れ入ってしまう。

書店の店頭に、リサ・ランドールの本が2冊並んでいた。厚い本はちょっと見ただけで本格的な本、とためらってしまった。まずは、薄いこちらからと買ったのが『異次元は存在する』。

宇宙飛行士・若田光一氏との対談。NHK BSで放送されたものを、本に起こしたもの。対談だから、わかりやすい。BSを見ていれば、もう少し理解が進んだはず……。本を読んでいる限り、対談もわかりやすくリサ・ランドールの考えを明らかにしているだろう。

詳しく突っ込んでいないきらいもあるが、逆に端的に語っている。5次元世界の存在を唱える説が、理論物理学だけでなく、広く世間に広がっている現状も語られていた。5次元世界とは、魅惑的なことば。宇宙論などではすでにお馴染みの「ひも理論」も語られてくると、これまで仮想かと夢を広げていた物理の世界が本当のことのように思えてくる。微小なものと思っていた世界が、宇宙を含む時空間全体の捉え方に発展。クオークなどの揺らぎが、時空間の揺らぎへと、スケールが大きくなる。頭を突き抜けるほどの面白さが広がる。

対談ゆえ、大雑把な面は拭えない。『ワープする宇宙』の前置きと理解するといいのだろう。ということで、『ワープする宇宙』に進もう。

『異次元は存在する』 リサ・ランドール、若田光一 NHK出版
お勧め度:★★★★☆

9月 11, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月 2日 (日)

『自衛隊 変容のゆくえ』 前田哲男著

米軍艦船への給油活動などを目的にしたテロ対策特別措置法で話題の海上自衛隊。イラクに派遣された陸上自衛隊。いまも米軍を支援している航空自衛隊。

自衛隊が何度も海外に派遣されるにつれ、海外派遣の危険性や憲法違反などが話題にならなくなった。イラクでの軍事行動を正当化し、既成事実化しようとして、ヤラセのような策略も準備していた。自衛隊幹部なら、訓練ばかりの自衛隊から、実戦で鍛え上げた軍隊に変えたくなるだろう。想定しても現実的でない訓練より、はるかに得るものがあると計算する。警察予備隊から海外派遣されるまでに至る自衛隊は、ウソや詭弁の上塗りで正当化して軍備増強し、既成事実化してきた。

さすが軍事評論家の前田哲男。これでもか、これでもか、と自衛隊を既成事実化し、拡大してきた政策や政治家の発言を積み上げている。そんなことがあった、こんなこともあった……と思い起こしながら、証拠の数々をさらに上塗りし、解釈を次々変更している政策を露わにしている。歴史的、連続的に追いかけているわけでないので、時系列、体系的に取りそろえられると、本当にいい加減な政策の繰り返しながら、しっかり軍隊になってしまった自衛隊がここにいた。アメリカの「美しい属国」に成り下がってしまった国の自衛隊には、日米同盟が崩壊するシナリオを想定したり、米軍指揮下に収まる主体性なき軍隊に不満を募らせたり……という想定はないのだろうか。強くなり、海外で認知されればされるほど、憲法9条と整合が付かなくなり、現実の前に憲法を変えようとすると動き出す。

そんな動きが錯綜し、肥大化する自衛隊を取り巻く状況。歴史を紐解きながら、最後に、憲法9条を基調にした世界戦略を展開するあたりは、長年軍事に携わっていた前田哲男ならではの持論。グローバル経済が急展開し、格差や問題が政治化したり軍事化したりするなかで、軍事的な側面で世界戦略を論じるのは難しいだろうが、あえて展開する平和主義には頷かされるものがある。

グーをいわせず次々と提示してくる、その手法は読み応えがあり、納得できる。

『自衛隊 変容のゆくえ』 前田哲男著 岩波新書
お勧め度:★★★★★

9月 2, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月18日 (土)

『生物と無生物のあいだ』福岡伸一著

Rimg0004_200 分子生物学が脚光を浴びたのは、30年ほど前か。DNAなどはとっくに発見されていたが、研究方法が飛躍的に進歩したからだろう。遺伝子情報が解析され、クローンまで誕生するに至り、宗教を巻き込んだ生命原理にまで論争が発展した。渡辺格がわかりやすい解説で紹介した功績も大きいか。

生物と無生物を分けるキーワードは、自己複製。生命とは、自己を複製するものを指す(著者の福岡伸一は、これに異議を差し挟んでいる)。DNAの二重らせん構造がその秘密。自己複製まで企てられている遺伝子の不思議は、いかにも不思議。疑問がとぐろを巻いてしまう。研究者にとっては、とぐろから予想される結論を導き出す努力は大変なものだろう。

この本では、研究の予想と実際の実験結果の悪戦苦闘を、著者の海外研究の場から紹介したもの。あらかじめ想定した目標に向けて、実験を重ねる。思うように進まなかったり、他の研究者が先に進んでいたり……。2番手は意味もなくなる世界。1番目に手を上げ、名を残すのが研究前線。他の研究者の成果を先取りして名を馳せることも。

分子生物学の華々しい成果の影で行われる、研究者の歩みが、福岡の目からドキュメンタリーのように紹介されている。書名からすると、もう少し原理的なことに立ち入るかと期待していた。最新の研究前線とその問題点。遺伝子情報の解析が進み、遺伝子操作が倫理の問題にまで発展している現状。自己複製を行うメカニズム。DNAとそれを包む環境によって発生する自己複製……。
期待とは若干異なるが、研究成果を巡る生々しい研究者の悪戦苦闘や名誉争いなど、面白く読める。

『生物と無生物のあいだ』福岡伸一著 講談社現代新書
お勧め度:★★★☆☆

8月 18, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月12日 (日)

『紀香魂』藤原紀香著 幻冬舎

Rimg0100_200:なんでまた、『紀香魂』なんだい?
:ゴーストライターって、不遇。芸能人もの、著名人もの。とにかく当人が書いたことにして、ゴーストライターの作。本人と話したり、ボイスレコーダー起こしたりしながら、当人に成りきっていく。話し方の癖、抑揚などを身に付ける。僕は人まねが下手だから向かない。人まね上手い人には適役。

:どうして、藤原紀香なわけ?
:どうもライターさん、二人ぐらいはいそう。話し方が少し違う箇所がある。披露宴に合わせて作るのだから、当然かと疑っていなかった。それにしても、上手いもの。語り方が、まるで紀香。えらいものだ。すばらしいゴーストライター、と感じ入っていた。
それにしても、結構細かいことまで語るもの。インタビューをしっかりしたのだろう。そのあとのフォローもこまめなのだ。名前を出してもいいのでは、と出版社に憤っていた。

:君って、ミーハーなのは先刻承知。でも、藤原紀香の本だよ。なんで?
:芸能情報にはまったく疎い。誰と誰が結婚した、分かれた、などと騒いだときは、頭にはいる。でもそのとき限り。しばらくすると、すっかり忘れている。存在忘れると、死んだことにしたり……。感心ないんだね、まったく。まして、芸能人の本など、相手にもしなかった。

:でしょう。なら、なぜ?
:不遇なゴーストライター。著作権騒ぐなら、もう少しゴーストライターのこと考えてあげなくちゃ。何しろこき使われるだけ。

:ゴーストライターの話は、ごもっとも。待遇がひどい。でも、出版業界って、人を人とみない風潮は昔から。著作権なんて、気にも留めない。そこが絡んで読んだわけ?
:藤原紀香の考え方とか、結構真面目なことが後半展開される。読み進むうち、もしかして本人が書いている? と悩んでしまう。アフガニスタンなどに写真撮影に行く。トラブル続出。上手い具合に語るもの。もしかして本人が書いた?

:で、どうなの? 本人?
:あとがきからすると、本人のような感じ。もちろん、誰かが書いた素原稿に手を入れている可能性もある。裏のことはわからない。でも、本としては本人が書いたようになっている。もしゴーストいたら、抹殺。悲しい話。
本人が全部書いたのなら、結構書き手なんだ、藤原紀香って。

『紀香魂』藤原紀香著 幻冬舎刊
お勧め度:★★☆☆☆

8月 12, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007年7月27日 (金)

『名もない毒』 宮部みゆき著

Rimg0016_200 新聞小説というのは、作者にとって結構大変なのだろう。自分のリズムで書くより、新聞発行日に合わせて書き進めるのだから。
そんな苦労を忍ばせるミステリー。話は連続しているはずが、何か連続性にふと疑問を持ってしまうのは、新聞小説のためか。

連続殺人とくれば、その謎解き。現代世相を反映した展開。主人公が妙な動きをすることで、波紋が波紋を呼ぶ。そこにさまざまなキャラクターが登場し、流れが複数になり、いずれ大きな流れになる。面白い書き方である。展開が細かい分だけ、いろいろ振り回され、本題なのかサブなのか、区別しがたいまま先に進む。

ここまで書くのだから、どこかで話がひっくり返えるのか、などと疑心暗鬼。仕掛けとしては面白い。まめなキャラクター描写が、静かな展開。ミステリーを解く楽しみもあるが、作者の話の運び方に、こんな方法もあるのかと思わされる。

『名もない毒』 宮部みゆき著 幻冬舎
お勧め度:★★☆☆☆

7月 27, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月26日 (木)

『世界の終わり、あるいは始まり』 歌野晶午著

Rimg0015_200 本屋で長いこと立ち読みできない。表紙を見、パラパラめくって、これは! と買ってしまう。書名に「世界」などと入れば、第1条件クリア。「世界の終わり」とくれば、おっと立ち止まる。ちょっと逆説的な「あるいは始まり」と続けば、もうすべての条件クリア。さっそくカウンターに。

この書名、実にインパクトが強い。ミステリーものなら、ドキドキ。もう堪らない。こんな書名なら、目にするだけで買ってしまう。世界ってことばって、なかなか使えないもの。村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を思い起こさせる。

もちろん世界を語るわけじゃない。個的な世界が変わる、終わって始まるってこと。世界とは個的であると同時に、共有できる観方・世界観に通じる。ちょっと思想的か、と楽しみになる。

読み進むと、途端に世界が変わる。何度も何度も世界が変わる。個的幻想が創り出す世界にハラハラドキドキ。作者に振り回されてしまう。えっ、いまの世界は何? と展開に引き回される。作者の思うつぼ。作者冥利に尽きる。でも、腹立つこともある。ここまで振り回すか、と。

冷静に見れば、野心作なのだろう、きっと。でも、腹立ちのまま、読み終えてしまった。きっと映像にしたら、面白いのかもしれない。

『世界の終わり、あるいは始まり』歌野晶午著 角川文庫
お勧め度:★★☆☆☆

7月 26, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年7月25日 (水)

NHK趣味悠々「中高年のための いまさら聞けないパソコンABC」

Rimg0007_200 毎回新しいことにチャレンジするNHK教育テレビ・趣味悠々のパソコン番組。今回は、「いまさら聞けないパソコンABC」というタイトル。
8月~10月までの、毎週火曜日夜10時から。今回も、講師・佐々木博、司会・小林綾子の名コンビ。息のあった二人の掛け合いが楽しみ。

半年前から企画を進めていた。パソコンの基礎の基、を易しくわかりやすく語るのは、結構難しいもの。今回のテキストは、クイズ形式で話を進めている。3択問題などで、正解はどれ? と考えながら、その答えと解説を読み進めてみよう、という野心的な試み。

クイズといっても、ピンキリ。難問ならついていけないし、簡単すぎると、何これっと、相手にしてくれない。問題にはあらかじめ答えが用意されているが、そこに導くのって難しい。当然息抜きも必要。クイズという形式は、わかりやすい。つまり、ボロが出やすい。この当たりを踏まえて、楽しめるクイズを作るのは、思いのほか難しいってことがよくわかった。

日頃クイズを解いていると、文句をいうことが多い。易しすぎる、難しい、問題として変……。とにかく解く側には、いろいろなことがいえる。そんな見も知らない人の苦情を頭に浮かべながら、これならどうかな、いや違う、こうだ! などと、ない知恵を絞るから時間がかかる。クイズ作者って大変なんだ、とつくづく納得。

パソコンに関わる用語や概念など、基本的なことって結構いい加減にパスしてかまわないものがある。でも、知っておくと役に立ったり、頭にしっかり入ったりする。そんな感じで理解できれば……と工夫を凝らしたつもり。

どんな反応があるか、不安。

もちろん、番組はクイズで進めるわけではない。あくまでテキストの作り方をクイズにしただけ。番組は二人の面白い話と、生徒さんとの掛け合いなどで進むのでは……。

本屋さんでお買い求めいただき、番組をご覧いただければ……と切に思っております。

7月 25, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年7月17日 (火)

『いけちゃんとぼく』 西原理恵子著

Rimg0011_200 いまと違って家族旅行などというものを知らない。親父と遊びに出た記憶は、2回ほど。夏休み、暇で暇で堪らなかった。外で出ても遊びに出てくる子どもがいない。夕方やっと野球やろうとか、缶蹴りしようとか……。もう充分ひとりの時間を使い果たしていた。
ある日、親父、姉と海水浴に。駅前までバスに乗り、さらに海水浴場までバスを乗り継ぐ。長蛇の列の後ろにつき、満員のバスを数台乗り過ごし、やっと海岸に着く。待ちに待った海は、期待通り人があふれ、波との闘いを待っていた。

プールのない学校では、泳ぎも教えてもらっていない。波との闘い。大きい波が来たら、ジャンプ。勝ち続ける。少しずつハードルが高くなる。おっと、思いっ切り飛び上がった。水を飲んだ。と、それまであった足もとがない。足が底に届かない。慌てた。足をばたつかせ、底を探った。ない! 思いっ切り海水を飲む。暴れた。足が着かない! 死ぬ~。苦しい。もうダメ! ごぼごぼと水を飲む。助けて~。無茶苦茶に暴れた。大きい腕がつかみ、引き上げてくれた。親父が側にいて、助けてくれた。助かった。側にいたのなら、もっと早く助けてくれれば……。親父の腕にしっかり捕まって立とうとした。えっ、底に着くじゃないか。立てる! 砂浜を見ると、少し沖に出ていた。でも、回りには浮き輪の子どもや大人がいっぱい。浅瀬で、死ぬ~と騒いでいた。

帯に、「絶対泣ける本」とある。絶対に泣いてやるか、バカにしている! はじめから身構えて読んでしまう。泣くまいと強い決意。頭の固さも手伝って、意味不明。
ほのかな海の香り。溺れて死ぬ思いが蘇る。何度か読むと味が出る、燻製のようでもある。

『いけちゃんとぼく』 西原理恵子著 角川書店
お勧め度:★★★☆☆

7月 17, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月28日 (木)

『ビスタではじめよう! インターネット&電子メール』佐々木博監修:NHK出版

Vista_internet_mail ごめんごめん。本当は、6月26日に掲載するはずが、いろいろと事情があり、数日経ってしまった。
この本も、6月25日発売。そう、2冊同時発売の手習い塾シリーズ、何と第13段。いやいや、大変でした。何しろ、2冊を同時に出すわけですから、準備は大変。確かに、2冊同時発売はインパクトは強いはず。きょう、少し時間が取れたので、本屋に顔を出した。並んでいた、2冊とも平積みで。嬉しかった、です。

2冊も揃えば、ビスタの敷居もかなり低くなるはず。お待ちかねの本が続々出てきました。何しろビスタ本は、難しいこといろいろ書いてある。これがいいとか、あれがいい。でも具体的な使い方になると、途端に難しいこといろいろと並べる。でも、知りたいのはビスタで何ができるかってこと。それにお答えしたのが、このシリーズ。

ビスタは難しい? そんなことはありません。まずインターネットとメールで、これまでと同じようにできるか、というところから入りましょうか。それには、NHK関連のホームページやNHK出版のホームページを見てみましょう。あまり見ていない人も多いかもしれませんが、珠玉の宝庫とはよくいいます。見てみると、実はいろいろなページがあり、つい引き込まれるものもある。(実はこの本の企画まで、僕もあまり知らなかった。)

メールといえば、これまでの「アウトルック エクスプレス」から「ウィンドウズ メール」に変わる。操作に大きな違いはないが、やはり新しい顔に慣れるまで、悩ましいかも。そこで、この本では、これまでと同じところから入り、次に違うところを……と、わかりやすく解説。これも手順に従って操作すると、使い方を覚えられる、手習い塾シリーズの必殺技でわかりやすいはず。

この原稿、1月、まだビスタが発売する前から書き始めていた。正規版のビスタを手に入れてから、確認作業。それにしても、なんと発売まで6か月。もう大変。これほど時間と手をかけているのだから、期待に応えられるはず。

書店の店頭には、きっと2冊並んでいるはず。これからビスタに乗り換えようとする方、お友達がビスタパソコンを買った方、ビスタパソコンを買ったけど使い方がいまひとつと悩んでいる方。是非店頭で開いてみてください。

6月 28, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年6月25日 (月)

『ビスタではじめよう! パソコン』佐々木博監修:NHK出版

Vista_pc 本日発売の手習い塾シリーズ、第12段。ウィンドウズ ビスタをお持ちでない方は、見向きもしない? いえいえ、いつかはビスタに乗り換えるかもしれません。お友達にビスタに買い替えてお困りの方、いらっしゃいませんか?

そんな方にお勧めのビスタ本。
ビスタ登場から、はや半年。本当に6か月は速い。華々しいビスタデビューでも、乗り換えや新製品購入は、いまひとつ。画面の美しさは嬉しいが、使い方がこれまでとだいぶ変わった様子。これは敷居が高いぞ、何か本でも出たら、よく見てからパソコン買い替えようと、思っていた方が多いはず。

確かにビスタは、これまでとはちょっと違う。XPやMeに慣れた操作に比べて戸惑うこと多いのは、誰でも同じ。昨年来、ベータ版で試していた僕も、これは?! といろいろ探りまくった。当時は、壊れてもいいパソコンにビスタを入れて使っていたが、メモリが少ないことも手伝って遅い遅い。調子よく動かず、苛立っていた。

パソコンショップの店頭で触ってみると、快適に使えるようにできている。ビスタを快適に動かすには、店頭で販売されているパソコンでないと厳しい。XPパソコンにビスタを入れてみたパソコンも手元にあるが、最初は重くて動きが少し鈍かった。メモリを追加し、グラフィックボードを追加して何とか、普通に使えるようにした。ビスタを使うなら、新製品に買い替えるか、メモリやハードディスク、グラフィックボードを追加しなくちゃ、思い通りに動かない。残念ながらそれがビスタの現実。

とはいっても、ビスタに関心がある方は多いはず。ビスタで何ができる? と訝っている御仁に是非お勧めの本が、この本。
ビスタに変わって嬉しくなる機能を、わかりやすく解説したつもり。操作しながら、これは面白いという機能をステップアップで紹介。
ビスタに乗り換えて悩んでいるお友達がいたら、是非お勧めください。

6月 25, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2007年3月13日 (火)

『風の影』カルロス・ルイス・サフォン著 木村裕美訳

Dvc00007_m 翻訳本って、どうしても日本語が馴染めないことがある。直訳じゃないだろうけど、日本語がこなれていないってことが話を進まさせないことって多い。最近の翻訳はだいぶ良くなった。

この『風の影』の翻訳・木村裕美さん、実に丹念に翻訳している。原文を見ていないが、日本語の俗語を時に出したりしながら、流れを止めないように訳している。実にうまい。きっとここは漢字だろうとか、「てにをは」が変、という個所も数か所あったけど、いいのいいの、全体的にうまく訳せているから、と気にせずに先を追ってしまう。翻訳の力に久し振りに感動した。相当手間がかかったはず。きっと我慢強いんだろう。

さて、『風の影』。いわない、いわない。途中風邪で中断をはさんで、少し時間がかかった。その上、上下巻。ものごとを修辞する力を思う存分味わわせてもらった。これほど先を誘いながら、いまをしっかり表現する書き方は久し振り。最近の軽い書き方とは一線を画す、描写巧みな手法だ。

読み進むうち、思わず西洋にも輪廻があるのかと錯覚してしまった。めぐるめぐる、は、中島みゆきの「時代」だけじゃない。そういえば、背景の時代こそ、この小説を重厚なものにしている。スペイン内戦、近代芸術の都・バルセロナ……、背景はどこまでも暗く重い。でも、真摯だ、サフォンの姿勢。

本の虫には、お勧め。ドップリ嵌るはず。

『風の影』カルロス・ルイス・サフォン著 木村裕美訳 集英社文庫
お勧め度:★★★★★

3月 13, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年2月10日 (土)

『インテリジェンス 武器なき戦争』 手嶋龍一・佐藤優 著

Rimg0544_200 「インテリジェンス」の政治的な意味をまったく知らなかった。goo辞書では、「知性。理知。知恵。」。理性的なことばと思っていた。読み始めたころは、意味がうまく通じなかった。何か変と疑っていた。

手嶋龍一氏は、NHKテレビで何度も見ているので、顔と名前が一致する。ジャーナリストでNHK特派員。佐藤優氏は、外務省の役人で、鈴木宗男議員との関係で話題になり、逮捕され先日判決が下りた人。佐藤優については、新聞程度のこと知らなかった。それも、この本を読むまで記憶がさびていた。思い出してもどんな事件だったか、鈴木宗男に連座したくらいにしか考えていなかった。

外務省でも当然、海外の正確な情報を得ようと、さまざまな手段を取っているらしい。その中にはスパイまがいのことをして情報を得ている人たちがいる。諜報部員なのだろう。佐藤優はロシアを主に担当していた諜報部員、しかもかなり優秀のようだ。本を読み進めるうちに、ごく最近のロシアの事件、湾岸戦争、イラク戦争など、きな臭い事件に関する諜報戦の一面が現れてくる。手嶋龍一との対談ということもあり、速いテンポで読める。しかも昔の話ではなく、安倍首相も出てくる現代話。

手嶋龍一って海外が長いかどうかは知らなかったが、やはり情報の裏を取ることから、きっと諜報まがいのこともしていたのだろう。その辺りの二人の話がよく通じている。情報通というより、諜報通。で、諜報戦で得た情報を、通常の情報とは区別して「インテリジェンス」と呼んでいるようだ。

現代の国際政治を舞台にしたスパイ合戦の様子が、手を取るようにわかる。本当かな? と疑いながら読み進めないと、現代がスパイだらけの諜報戦の最中にいると錯覚してしまう。きっとこの二人は、そのただ中にいたのだろうから、どこにでもスパイがいるといえるのだろう。周りでスパイを見たことがないので、リアリティに欠けるが、さもありなん! と頷いてしまう。生々しさが読後も引きずってしまう。

『インテリジェンス 武器なき戦争』 手嶋龍一・佐藤優 著 幻冬舎新書
お勧め度:★★★★☆

2月 10, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年1月25日 (木)

『水滸伝』 北方謙三著

Rimg0515_200 この頃、頭が重い、固い。柔軟性に欠ける。こりゃ、まずいと、頭の柔軟性回復策を取り出した。話がトントンと進み、イメージが膨れあがる小説。乱読で、普段の1.5倍くらいのペースで速読。頭の中がイメージで膨れあがり、テンポがよくなり、思考が柔軟になる。体内リズムがアップテンポになり、脳内が水ぶくれのように膨れあがる。いつも意識的に試していた。

今回は、きれいで流れるような日本語の小説を手始めに読んでみたが、大誤算。失礼になるから著者と書名は省略。そこで、これは? というものをいくつか手当たり次第に読む。

『水滸伝』って、斜に構えていた。バリケードに籠もった全共闘が回し読みしていた、という話を耳にして、そんなもの読むか! と相手にしていなかった。あんたたちの真似なんかしないよ! と突っ張っていた。話の内容は少しわかっていたから、バリケードが梁山泊と思い描いた英雄気取りが気に障ったのかもしれない。バリケードの中で、解放空間と突撃拠点を作り上げる、というイメージに羨ましさを覚えつつ、一方で、そのバリケードがなくなったことに対する腹立たしさだったのだろう。

アホなことに、いつかは読んでみようと思っていた。古本屋で横山光輝の『水滸伝』、何度か手に取ったが、全集しか置いてない。確か1万円以上した。それで、柴田錬三郎の『水滸伝』だったか、読んだ。だいぶ昔だから記憶も不確かだが、やはり感動のまま、読んだ気がする。

『水滸伝』って、講談で広まったものらしく、しっかりとした話があるわけではない、というのをはじめて知った。読み進むうち、どうも前に読んだ感じと違う、変だ、と気になっていた。あまり読まない、本の最後にある解説。1巻を読み終え、翌日買うまでの興奮を抑えきれず、つい読んでしまった。北方謙三が広まっている種々の話をまとめ、独自の水滸伝を作り上げていたのだ。なるほど、やたら心理描写や考え方が明確だったりする。改めて北方謙三の、世界の創り方に感動した。前に読んだ記憶では、こんな展開ではなかったはず、と何度も昔の記憶と整合性を取りながら、新しい歴史に浸っていく。登場人物がかなり明瞭になり、動きやスケールが大きい。きっと北方謙三の中で、登場人物達が勝手に動いてしまったのでは……と思ってしまう。大きな筋はきっとほかの水滸伝と変わりないのだろうが、細かいところはかなり独創的なのではないだろうか。

毎月20日頃、1冊ずつ文庫本が出るので、楽しみができた。
でも文庫本は、文字が小さい。しょぼついた疲れ目をしばたきながら、読んでいる。それで、頭は柔軟になったかといえば、まだまだのよう。

『水滸伝』 北方謙三著 集英社文庫
お勧め度:★★★★☆

1月 25, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年1月24日 (水)

『パソコンで作ろう!プレゼント』NHK出版 佐々木博監修

00_001_1 NHK出版「中高年のパソコン手習い塾シリーズ」
第11弾『パソコンで作ろう!プレゼント』が1月25日に発売されます。

パソコンで何かを作るといっても、なにを? と悩むもの。誰かにパソコンで作ってプレゼントしようとなれば、俄然元気になるもの。もちろん、パソコンだけでは作れないものも多い。特に、印刷したものはそのままでは紙ペラだけ。用紙だって作るものによって変え、グッズに張ったり、切り貼りして作ったり……。
そんなお楽しみのプレゼントを作るのが、この本のテーマ。

できるだけ簡単に作れるように配慮したつもり。「ワード」「エクセル」のほか、フリーソフトを使って、パソコンを覚えながら、作れるのがミソ。贈り物の見本があるので、それを元に作っていけば完成。オリジナルのプレゼントは、材料を少し変えるだけでできてしまう。

友人やお子さん、お孫さんの喜ぶ顔を思い描きながら、作ってみたいもの。
付録CD-ROMには、サンプルや写真、フリーソフトも入っているので、この本1冊で作れてしまう。

01_002 ●しおり
読書の虫には、いくらあっても足りない「しおり」。「ワード」でお手製のしおりを作って贈り、休憩時間に目に留めてもらおう。写真専用紙に印刷して、カッターで切り取るだけでできてしまう。ミニタペストリー、ブックカバー、ペーパークラフト、写真ブック、マウスパッド、オリジナルグラスの作り方も紹介している。

03_001 ●賞状
カラオケ大会、夏祭りなど、みんなが集まると、表彰式で締めたくなる。賞状があれば、表彰される人もさらに嬉しくなる。金色の飾りを描くのは大変だが、CD-ROMからコピーし、フリーフォント「Y.OzFontM」をパソコンに入れると、太い書体の立派な賞状が出来上がる。重宝すること請け合い。

02_001 ●卓上カレンダー
いくつあっても重宝するのが、カレンダー。はがきサイズの卓上カレンダーなら、テーブルやパソコンの上など、どこにでも置ける。お手製の卓上台も作って飾ってもらいたいもの。デジタルカメラで撮った季節の写真を入れると、市販のカレンダーとは違うオリジナルな感じに仕上がる。




04_003 ●オリジナルCD
友人と旅行に行ったときの写真は、結構な枚数になるはず。CD-ROMに書き込んで贈ることになる。なら、CD-ROMにオリジナルのラベルを張ったら、見分けがすぐつく。さらに、CDケースのジャケットを作ってしまうと、仕舞ってもすぐ取り出せる。写真さえあれば、「ラベル屋さんHOME」で簡単に作れてしまう。

05_001_2 ●会費台帳
会計の仕事は、結構気を使うもの。電卓を使うと、何度も計算し直し。「エクセル」なら会費台帳も簡単。日付を入れるだけで、1か月の合計や年度の合計も、自動的に計算される。改めて計算する必要がない。計算だけは苦手、という会計の担当の人に渡したら、喜ばれること間違いなし。

06_001_1 ●連絡網
なにか会に参加していると、連絡網が命綱。何かと役に立つ。でも連絡網って、手書きでもパソコンでも作るのは、かなり手間がかかる。枠の形がデコボコしたり、揃わなかったり……。「ワード」のひな形があれば、それを使うと、毎年白紙から作らなくても済む。一度作り方を覚えるだけでよい。



07_314 ●塗り絵の下絵
最近ブームの塗り絵。塗りたいと思っても、下絵がない。そこで、デジタル写真から下絵を作ってしまおう。フリーソフト「Sharaku」を使えば、簡単に写真の輪郭が取れ、グレーの下絵が出来上がってしまう。あとは印刷するだけ。こんなに簡単でいいの? と驚いてしまう。一度試してみたい。

08_003 ●スライドショー
写真を見てもらうなら、スライドショーに尽きる。飽きない。でも写真をただめくるより、動きを付けると、見ていて面白くなる。フリーソフト「ParaFla」でフラッシュ形式のスライドショーを作ると、写真の登場や退場だけでなく、文字の重なり具合なども簡単にできてしまう。

是非、書店でお求めいただければ、幸いです。
ほかの「中高年のパソコン手習い塾シリーズ」もご覧ください。

『パソコンで作ろう!交流グッズ』
『描いて飾ろう!ワード』
『楽しもう!デジタル写真』
『楽しもう!ワードとエクセル』
『楽しもう!パソコン』

1月 24, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2007年1月21日 (日)

『働きマン』 安野モヨコ著

昔、モーレツ社員という言葉があった。猛烈に働きまくる会社員。戦後復興をがむしゃらに働き、高度成長を支えたサラリーマンの代表名詞。1969年、石油会社のCMだったか、「モ~レツ!」とミニスカートのモデル(?)が息を吹きかけたのは有名。

言葉は変われど、いまの時代も馬車馬のように働く人間がいる。ただし、モーレツ社員は男性だが、この働きマンは女性。漫画を読んでいるだけで、苦しくなる。

週刊誌の女性編集者が主人公。いろいろな働きマンが登場する。どんなにIT化が進んでも、企画考え、ネタ集めて取材し、締め切りに追われて原稿入稿。手作業の肉体労働の世界だ。週刊誌の制作現場を知らないが、さもありなん。人間崩壊に等しいのに、人間とは、労働とは……を毎回突きつけてくる。

僕もワーカーホリックだが、働きマンには入れて貰えそうにない。どう考えても現実的じゃない。納豆巻きを栄養源に駆けずり回り、上司や仲間とやり合いながら、仕上げていく。漫画、フィクションと思えない話の連続。正義感が強いとかいっても、ここまで働くか? と訝りながら、似たような人って、いるよなあ~と妙に納得。

漫画のテンポが速く、働きマンの世界に引きずり込む手法は抜群。畳みかける言葉、仲間との格闘。でも、憎めない人間描写。うまいものだと喝采。
現実の編集現場がこうでないことを切に祈りたいものだ。

『働きマン』 安野モヨコ著 講談社刊
お勧め度:★★★★☆

1月 21, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2007年1月14日 (日)

『すじぼり』 福澤徹三著

Rimg0480_200 青春の破天荒な小説って、実に読み応えがある。すぐに作品を思い起こせないのは残念だが、五木寛之『青春の門』とかだろうか。モヤモヤした青臭さを漂わせながら、理に適わぬ動きが先行してしまうのが堪らない。あり得ない、あり得ない……などと思う間もなく、フィクションの世界に埋没してしまう。

とにかく頭が疲れていて、そんな強引な小説の世界に引っ張り込んで欲しかった。書店で少しだけ立ち読みして、別世界に引きずり込まれるかと期待して買ってみた。

福澤徹三の作品ははじめて。若者といったら、目的を見出せないまま行動してしまうのは、昔も今も同じだろうが、現在の大学生なら、かくあるかと思わせる不思議な動きの数々。僕もきっとそう映っていただろうし、いまでもそうかもしれない……などと勘ぐりながら読み進んだ。

そっちに行っちゃまずい、泥沼だよ、引き返せ! などと怖れを抱きながら、主人公を追いかける。ほらっ見たことか、どんどん深みに嵌って行くだろう、もうよせっ! そんな悪い方向に突き進んで、最後どう結末を迎えるか、不安を抱えながらページをめくっていた。

任侠の表裏織り交ぜた世界に入り込んでいく展開は、青春のまどろっこしさと大胆さが絡んで、終末のないドラマ。予想が次々と裏切られるところは、さすが書き手の力。ちょっと無理という嫌いもあるが、そこは流れで吹き飛んでしまう。

青春ものって、どんなに汚れても主人公がキラリと輝くものと決めてかかっていた。この小説の主人公は、それほど格好良いわけでもない。任侠道を突き進む一本気でもない。どこかの街角にいそうな、ありふれた感じの青年。そんな主人公が追い詰められていくところが、違和感を醸成している。

『すじぼり』福澤徹三著 角川書店
お勧め度:★★★☆☆

1月 14, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月 6日 (土)

『数学的にありえない』アダム・ファウアー著 矢口誠訳

Rimg0482_100 書名に惹かれた。『数学的にありえない』というのだから、ありえないことが起こった話だろう。面白そう。
数学的というより、確率的にありえないサスペンス。

人間の潜在能力って魅力的。人ができないことが自分にはできたら……と誰もが夢想する。対面した人の語ることがすでに分かっていたり、未来を予知したり、夢を現実化できたり……。おやっ、確かこの情景覚えている、この話したことがある、などと既視感に驚き、もしかして自分には隠れた能力があるのでは……って悦に入ることってあるはず。
夢の研究が進み、単に脳が経験を整理しているというだけじゃなく、未来を予見しているのではと解釈できることもあるらしい。

CIAやKGBなどでは、潜在能力が開花した人間を捉え、隔離して研究しているという話って、スパイものでなくてもよく出てくる。世間から隔絶された世界なら、行われていても不思議じゃない、そんな話がテーマ。オカルトっぽくないところは、「数学的」でもわかる。現代科学を背景に、ブラック予算をつぎ込んで望めない成果にばく進する研究者と、能力が開花しつつある統計学者の卵の追いつ追われつする話。ソ連生まれのスーパー美人スパイが絡まり、サスペンスを盛り上げる。

現在の流行り言葉、ありえない、ありえない、を逆手に取ったのだろう。危機脱出はありえない話が現実化する。確率的に高いものを選択すれば、未来を我がものにできる。醒めた若者なら、ありえないといいながらはまってしまう。そんなストーリー展開。SF的なところには、数学的根拠が散りばめられている。そうかも、と納得してしまう。

ノンストップ・サスペンスとか、ジェットコースター・サスペンスと叫ばれる、最近流行りのアメリカ・アクション映画ばりの展開。第1回世界スリラー作家クラブ新人賞受賞作。

『数学的にありえない』アダム・ファウアー著 矢口誠訳 文藝春秋

お勧め度:★★★★☆

1月 6, 2007 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月26日 (日)

「近代日本外交のあゆみ」池井優 NHKカルチャーアワー歴史再発見

Rimg0470_400 最近ラジオといえば、ポッドキャスティングが流行。アイポッドなどの携帯音楽プレーヤーで番組の音声データを保存して聴く方法。英会話や落語、大学の講座などが聴ける。中には、自分で番組を作ってインターネットで流している人もいる。

そんな時代にNHKラジオ第2放送でやっているのが、NHKカルチャーアワー歴史再発見「近代日本外交のあゆみ」。池井優さんが話しているらしい。放送を聴いたわけではなく、そのテキストを読んだ。知人のお勧め。世界の政治情勢が激変して、危うい方向に向かっている状況を危惧してお聴きになっているのだろうか。

テキストは番組と違うのかもしれないが、久し振りに日本近代史をおさらいした。時系列で読んだのはきっと高校の日本史以来だろう。大学で専攻したかったのが、近代政治思想史だから、外交史は覚えているはずだが、読んでみると忘れていることが多かった。そうそう、と頷きながら読み進めた。テキストの文字が大きいのが助かった。最近本を読む年齢層が上がっているというから、高齢者向けに文字を大きくしたのだろう。どうせなら、ほかの本も文字を大きくして欲しいもの。電車や部屋で本を読むのに苦労している。

やはり興味があったのが、1910年の朝鮮併合。日本の朝鮮侵略が、現在の南北朝鮮の分断に影響していると読んでいた。テキストでは、紙面に限りがあるのだろう。それほど詳しく記述されていない。

つくづく納得したのは、歴史こそ切り取り方だろうってこと。事実なるものがどこにあるか分からないが、あるのはある観方から切り取られたこと。これをその観方に従って体系的に記述したものが歴史。外交史としてまとめたテキストのボリュームもあるだろうが、かえって少ないおかげで、歴史の切り取り方がよく見えた。池井優さんはできるだけ公平に、と万遍なくエポックを並べ、特に外相など活躍した人を紹介していた。外相が目指した方向と軍部の意向が食い違って突き進んだ満州国や中国傀儡政権の話は、政治理念と軍事帝国主義のせめぎ合いを淡々と紹介している。奥歯に物が挟まった感じがあり、きっといいたいことがたくさんあるのだろう。さわりを教えてもらった。垣間見えてくる観方に、ものごとを綴る歴史の醍醐味がある。

あらためてペリー開国以来の近代日本史を思い出してしまった。

11月 26, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月14日 (火)

『柔らかな頬』桐野夏生 著

Rimg0466_400 単行本で2段組みの小説は、老眼には辛い。目を細めてみては、まずいまずいと、普段の目の大きさにすると、ぼやける。しようがないかと、老眼鏡をかける。文字が大きく、紙面が明るくなる。しばらく読むと、慣れない目が疲れる。裸眼で疲れ、老眼でショボショボ。何とも厄介な年頃だ。その上、読む始める時間が夜半2時頃。目はすでに限界。仕事疲れで、ものの10分で瞼が重くなる。

都会とは、田舎を顧みないで、新しい自分を演じることができる素晴らしい場所。たとえ故郷を捨て、親を捨てても、誰も咎めない。過去を隠し、新しい人間として生きていける。田舎の衣を脱ぎ捨て、解放された新しい自分を華麗に装うことができる。
田舎を捨て都会に生きようと、仙台を出たものにとって、桐野夏生の心情描写は物足りないものがある。過去を語らない主人公にとって、都会での1コマ1コマが刺激的で新鮮な出来事。都会の艶やかな生活を描写することで、逆に暗い過去との繋がりを燻りだしていこう、という作者の意図か。

話は、主人公の語りだけでなく、ほかの登場人物の語りを交えて、多面的に描写される『柔らかな頬』。主だった登場人物の性格が細かく描写され、そのたびに語り手にのめり込む。立場が変わると、また別の人物にのめり込む。語りを変えることで、物語の深みが増す。錯綜するストーリーがどこに行く着くのか、伏線の故郷を捨てた報いか、と気は焦る。

神隠しなどあり得ない失踪事件は、さまざまな引っかけで混乱を来す。最後の最後まで真実が何か分からないまま、大団円を迎える。推理小説とも違ったストーリー展開。
老眼でなければ一気に読み進めるのだろうが、小さい活字には閉口してしまった。できればもう少し大きくしてもらいたいもの。

『柔らかい頬』桐野夏生 著、講談社刊
お勧め度:★★★☆☆

11月 14, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月30日 (月)

本を買うなら、町の書店で

ネットショッピングは便利。あちこちの店を歩き回って、欲しいものを手に入れる手間が省ける。パソコンの中で探すだけ。ネットでしか手に入れられないものもある。息子はネットショッピングがお気に入り。パソコンの前で何かしているときまって、捜し物。見つかると、ここから出番だよ、と声をかけてくる。未成年では、会員登録やショッピングができないことがある。調子がいい。

ネットショッピングでよく売れているものの筆頭は、本。特に、地方やお年寄り、忙しい人には、重宝。アマゾンなどの売れ行きも、抜群。確かに、買いたいものが決まっているなら、町の本屋で探す手間が省ける。宅配便やコンビニの店頭で受け取れるので、煩わしくもない。こんな便利な方法はない。

でも、少し待って! 町の本屋さんがどんどん潰れている。このままネットショッピングで本の購入が進むと、さらに潰れる。町の本屋さんで探すのは大変。でも、町の本屋でしかできないアナログ的な探し方がある。もちろん、立ち読みもできる。あまりに小さい間口1間の本屋さんでは、立ち読みは気まずいこともあるが、買わなくても見る分にはただ。パラパラ拾い読みしたり、どんな本が流行っているか、ちょっとした時間である程度のことは分かる。もちろんネットでも拾い読みはできるが、本屋のような並びになっていないから意識が分断される。

決まった本があるなら、本屋の店頭や電話で申し込んでも、ネットショッピングと同じようなもの。もちろん、煩わしさはある。でも、この1冊の購入で本屋は少し救われるはず。立ち読みしたり、簡単な調べ物したりと、注文ついでにほかの本を漁ることもできる。何かと重宝で役に立つ本屋さん。最近は、店員さんお勧めの本が掲示してあり、意外な本がヒットしたりする。本屋さんが減っていくのは、文化的損失。ネットショッピングの個人的な便利さは、本屋を減らし、本に接する場が失われてしまうことになりかねない。

本を買うなら、本屋さんを利用したいもの。

10月 30, 2006 パソコン・インターネット, 書籍・雑誌 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2006年10月17日 (火)

『一応の推定』 広川 純 著

Rimg0241 推理小説って、最後まで読まないと、分からないもの。せっかちで先を急ぐ読者には、実にまどろっこしいもの。途中のシナリオ展開が、作者の腕の見せ所。少し焦らせたり、ほかに意識をずらしたり。読者と作者の闘い。作者の投げかけたほんの些細なことが、あとでどんでん返しに結びつく。読者の推理をはぐらかして、別の結論を導き出すときの作者の快感って堪らないだろう。ザマミローって、作者の喜ぶ顔が浮かんでくる。読者は最初からその予測があるから、騙されまいと穴の開くほど眺めながら読み進んで、ホラっ思った通り、アタリっと喜ぶ。外れると、そりゃないでしょう! と憤る。

この掛け合いが推理小説。『一応の推定』は松本清張賞を受賞した社会派推理小説。読者を弱者救済の立場に立たせる。心臓病でアメリカでの心臓移植手術しか生きる術がない孫娘を抱えた祖父の死。保険会社から不審な死の調査を依頼された退職間際のベテラン調査員が、自殺か事故死かを究明する話。

心臓移植には、莫大なお金がかかる。孫娘を助けるために、我が人生を賭けたのか。背景に流れる心臓移植と孫娘の生死が、話の展開に深く関わる。どうしても死なせたくない。でも不自然な死は……。

孫娘の生死に関わる一大事を解決したいという思惑が、推理を惑わす。社会的な正義感をうまく利用しながら話を進めるあたり、作者の筆力だろう。話が二転三転するのは、推理小説ならでは。読者の関心をあっちこっちに振り、推理の邪魔をさせる。振られっぱなしだから、結論が当てにくい。

一応の推定とは、自殺を推定する根拠で、こんなことなら自殺かな、と思わせる推定だそうだ。こんな言葉があるとは知らなかった。

それにしても、よくぞあっちこっち振り回してくれたものと、作者に脱帽。

そういえば、この間推理小説というか、小説を読んでいなかったので、最初の数ページ、頭に入らず、ガンガンした。頭の切り替えが鈍くなったのか、イメージを広げる展開に入りにくかったのか。読み進めるうち、頭が慣れてきた。

『一応の推定』 広川 純 著 文藝春秋
お勧め度:★★★☆☆

10月 17, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年9月24日 (日)

『パソコンで作ろう!交流グッズ』NHK出版 佐々木博監修

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今年、「中高年パソコン手習い塾」シリーズ第2弾。ついに11冊目。銘打って『パソコンで作ろう!交流グッズ』が9月25日に発売。





こんどの本は、グループなどで使いたいものをパソコンで簡単に作ろう! というもの。自分で使うものを作るというのは、これまでやってきたが、みんなで使うものというのは、なかなか難しそうという印象がある。それに挑戦してみた。使うソフトは、定番の「ワード」「エクセル」のほか、フリーソフトも使って楽しく作れる。




00_001 ラベル作成ソフト「ラベル屋さんHOME」にあるひな形を修正して作ったオリジナル名刺。

趣味などをさりげなく紹介してしまおうというもの。最近、マイ名刺が静かなブームになっている。格式張ったものより、軽く自己紹介という新たなコミュニケーションツールになっている。

00_002 絵画作成ソフト「絵師のえそらごと」で写真を絵にしたものを作り、ワードで飾り文字(ワードアート)を入れた絵はがき。
「絵師のえそらごと」は、描き方の違う絵師から一人選び、写真を元に絵を作るソフト。すべて自動。絵を描く過程を見ていると、絵の描き方がなるほどとわかる。絵師によって出来上がる絵が違う。いろいろと試してみて、一番いい絵を探すのが面白い。

00_003水墨画作成ソフト「水墨画作成ボードF」で水墨画を描き、ラベル作成ソフト「ラベル屋さんHOME」で印刷したワッペン。

団体のシンボルに、と作ってみた。水墨画って、マウスで描くのって悩ましそうだが、それほど難しくないのがこのソフト。はじめボタンを強く押したまま線を引いたら、ドテッとした感じになったが、力の入れ方を加減したら、それなりに毛筆のような線が引ける。絵心がある人なら、もっと素敵な水彩画を描けるのだろうが、この山の絵は僕の限界。水彩画の絵はがきが流行しているが、絵はがきにも使える。

Dsc_9789_700 00_004 何とも寂しいが、ネームプレート。

「エクセル」で作った会員名簿を、ワードに持ってきて、名前を入れ、同じ文字を左上に入れたもの。ネームプレートだけでなく、会員証、往復はがきなどにも応用が利く。実は「エクセル」のデータを差し込んで「ワード」でネームプレートや会員証などを作るのって、悩ましい。特に「ワード2000」を使っている人には難しい。ここでは名前だけを入れているが、住所や電話番号など会員名簿にある情報を選んで入れることができる。もちろん、あて名ラベルも作れる。

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「ワード」で作った旅のしおり。

いまでも小学校では、遠足などで渡されるもの。A4用紙を4つ折りにして裏表8ページ立て。手に取ると懐かしさがこみ上げてくる。一度作ってみたいと思っても、結構難しそうと尻込みしそう。見開いたページに、表で日程表を入れてみた。二泊三日の旅のしおり。いろいろなものに応用できるように、「ワード」の機能を結構使っている。特にどこが何ページ目か作っていくとわかりにくいので、隠し文字を使ってわかるようにした。このひな形を修正して使うのもいい。グループの旅行に一度手にしたいもの。

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「ワード」で作った大判ポスター。

プリンタのポスター印刷機能を使うので、A4用紙横で作る。飾り文字(ワードアート)とイラスト、写真を入れると、ポスターになってしまう。イラストは、「ワード」が用意しているものを使った。「ワード」のホームページには、いろいろなイラストがある。でもそれほど使われていない。このポスターはA4用紙4枚分に拡大して印刷するが、プリンタによってA4用紙2枚に拡大できるものもある。祭りやバザーなど、ポスター作りはいつも悩ましいもの。一度チャレンジしてみてください。

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絵本作成ソフト「Z絵本」で作った動画の写真絵本。

スライドショーでは写真だけだが、「Z絵本」では透明な下敷きを重ねていく感じで、動画を作れる。下敷きに文字を書き、写真の上に載せる。文字の場所を変えるなら、もう一枚下敷きを用意し、そこに文字を書く。文字は一文字ずつ現れるから、見ていて楽しい。出てくる速さや文字の色も変えられる。簡単に作れるのがミソ。最後に、ほかのパソコンで見れるように配付ファイルを作れるのが嬉しい。

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「ワード」で作った文集。

多くのサークルでは文集を作るが、縦書きや横書き、余白など、みんな形が決まっていないので、あとでまとめる人が大変。あらかじめひな形を作り、それに合わせて文章を入力したり、写真を入れたりするのが、この文集。ひな形をしっかり決めてしまうと、今度はこれに拘束されてうまく使えなかったりする。パソコンの技量は、人それぞれだから。そこで、ひな形は書き手から集まったファイルを一本化したら、綺麗に揃う程度のレイアウトにしてある。書き手の自由度と、まとめる人の手間軽減を図ったつもり。もちろん、ページ番号やページの左上に出るヘッダーは自動的。見出しの行に文字を入れると、自動的に現れる。

是非、書店でお求めください。
ところで、先月発売の『描いて飾ろう!ワード』は、増刷になりました。みなさんのおかげです。今回の本も是非、そういきたいものです。
これまでも読者の方のリクエストを作例にしてきましたが、こんなものを作ってみたい、こんな作例を本にして欲しい……というものがありましたら、リクエストしていただければ幸いです。お待ちしています。

NHK出版『中高年のパソコン手習い塾 パソコンで作ろう!交流グッズ』監修佐々木博

引き続き、ほかの「中高年のパソコン手習い塾」シリーズもよろしくお願いします。
『描いて飾ろう!ワード』
『楽しもう!デジタル写真』
『楽しもう!ワードとエクセル』
『楽しもう!パソコン』
『困ったときのパソコン虎の巻』

9月 24, 2006 パソコン・インターネット, 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年9月13日 (水)

第6回ネットで生活バージョンアップ NHK趣味悠々「もっと楽しめる!パソコンライフ」

だいぶ雰囲気が変わった。出だしから、2人揃っていない。バックも違う。何か仕掛けがある?
中谷さんが一方的に話す流れから、生徒さんが積極的に質問する感じになり、大きく雰囲気が変わった。より身近な感じになった。わかっていることとはいえ、生徒さんが質問したり、話したりすることで、講座に親しみが生まれた。ホッとする感じ。できることなら、このあとの講座もこんな感じで、会話しながら進めたらいいのに。

中谷さんって、話し始めると話が止まらない感じだから、生徒さんに質問や合いの手を入れてもらうと、話の内容がわかりやすくなりそうだ。

今回も操作は丁寧。テキストをネットショッピングで開放法を順番に紹介。ひとつひとつが詳しい。これなら、どこが問題か、どこで個人情報を入れるのか、お金はどこで、がはっきりわかる。やろうと思っても、どこで失敗するかと不安になるから、一度じっくり見せてもらえば、実際にネットショッピングをやるときに役に立つ。

別にネットショッピングしなくても、生活はやっていける。
でも、ネットッショッピングの方が安かったりする。値段を比較して安い商店を探せるサイトまである。それと、ネットッショッピングでしか手に入らないものもある。先日息子から頼まれて無名な曲の楽譜が入ったフロッピーディスクを買った。1枚800円。値段としては高いともいえるが、本で出ていないから世間にはない。こんなものまで売りに出ているかと驚いた。

支払い方法だけは注意したい。仕事柄、いろんな支払い方法を試すが、一番安心なのは代引き(代金引換)。宅急便で商品が届いたときに、代金を払う方法。これなら商品が届かない、クレジットカード番号が盗まれる、などという心配がない。いろいろな支払いをやってみたが、まだ一度も商品が届かないなどのクレームにあった試しがない。慢心してはいけないが、事前にしっかり確認したいもの。

ネットッショッピングって敷居が高いからだろう、ネットオークションやネット予約は少ししか紹介されていなかった。実は、ネットオークションもそうだが、最近中高年がよく利用しているのがネット予約。増えているらしい。特に、旅行でのホテルや航空券の予約。航空料金なんかネット予約の方が安い。知らなきゃ損っていうのが、この旅行関係の予約。一度見るだけ見て、旅行代理店の見積と比べてみるといいかもしれない。

ネットショッピングでは、テキストを買っていたが、先月NHK出版から出た『中高年のパソコン手習い塾 描いて飾ろう!ワード』の紹介ページができたので、是非ご覧ください。迫力ありますよ。もちろんネットで購入できます。

NHK出版『中高年のパソコン手習い塾 描いて飾ろう!ワード』佐々木博監修
http://www.nhk-book.co.jp/magazine/osusume/tenarai/index.html

9月 13, 2006 パソコン・インターネット, 映画・テレビ, 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年9月 4日 (月)

自我の哲学史  酒井潔著

Rimg0003_250 気:自分のことって、人は分かってくれない。もう少し分かってくれれば、コミュニケーションがスムーズに行くのにね。
元:本当かな。自分のことって、自分じゃ分からないじゃない。分かった気になっているだけだよ。自分でわかっていりゃ、逆にコミュニケーションがうまく行くんじゃない。分からないから、苦労するんだよ。
酒井潔さんの『自我の哲学史』って、その当たりの分析、実に鋭い。

気:その本、哲学の入門書なんだよね。
元:そう、入門書なんだけど、酒井さんの主張がしっかり出ている。しかも、読みやすく、単元ごとにしっかりまとめられている。自我とか哲学を、平易に語っている。哲学と聞くと、結構難しそうだけど、うまい。論旨が乱れていないところが、読みやすい原因かな。

気:でも、デカルトとかカントなんかが出てきて、訳の分からない解釈をするんじゃないの?
元:最初、そうじゃないかって思っていたけど、この本の主旨が「日本人には自我はいらない!」ってカバーにあるように、日本人には自我は不要って流れで展開する。その流れが、明解。一般的なデカルトなどの哲学者の解釈ではなく、根本に自我不要論がある。これに引かれた。

気:自我が不要っていったって、自我ってあるもんじゃないの?
元:酒井さんは、自我という概念は西欧個人主義の中で成立したもので、日本に取り込んで自我に悩む姿はおかしいって、展開する。この当たりは、自我や日本文化をどう捉えるかで大きく分かれるところ。でも、自我不要論の根本的な発想は、すごくユニークで面白い。実は、結論はちょっと違うけど、発想については異議ないね。

気:どこが根本の発想なの?
元:自我って、悩んでも堂々巡りの相対化に陥る。自我を前提にすると、この坩堝から逃れられない。酒井さんは、自我の不毛な回路から脱却するには、自我そのものの概念が不要だと言ってみたいわけ。一方の結論だと思う。気分的には納得できる。
でも、不要といっても意識してしまうのが現状。そこに問題が潜むわけ。

気:西欧個人主義では、自我が前提なら、日本の近代では、自我が輸入されたというのかな。
元:宮沢賢治や夏目漱石などを取り上げ、日本人の自我の悩みが奈辺にあるか、探ろうとする。西田哲学も出てくる。日本の自我が西欧個人主義とは違って、二重三重に悩みを抱えた理由を解説しようとする。この当たりも結構説得的。

気:なら、すごい内容だね。自我という言葉がなくなれば、救われるってこと?
元:そうはいかない。酒井さんはあまり触れていないが、自我とい概念は精神分析学などでも別な意味で語られる。酒井さんなら、フロイトから始まる精神分析は、西欧個人主義に立脚しているというのだろうが、哲学的な自我概念と、精神分析学的・心理学的な自我の概念は、違うところがある。この当たりは、この本では多くを語っていない。

気:でも、自我という概念がなくなれば、心理学などでも別な言い方をせざるを得なくなるのでは?
元:単になくなれば、といっても道行きが問題になる。そこまで語っているわけではないが、自我を相対化するのが1つの方法だろうね。自我を肯定して相対化する道を開いた方が良いのでは、と思うが、この当たりから読んでいて違うかな、と思うところ。
でも、根本的な発想が納得させるし、各哲学者や文学者への接近法が分かりやすい。酒井さんの結論は、違っても読んでいてとても面白いものだ。

『自我の哲学史』 酒井潔著 講談社現代新書
おすすめ度:★★★★★

9月 4, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月25日 (金)

中高年のパソコン手習い塾  描いて飾ろう!ワード  佐々木博監修

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パソコンやっていると、多くの人が「ワード」を使っている。IT講習でも、必ず「ワード」をやる。まるでパソコン=「ワード」のよう。でも、文章入力して、文字を大きくして……と、使い方の大半は、文字入力が中心。本当は、イラスト入れたり、図形を描いたり……と、もう少し飾りたいもの。でも、結構難しそうと、手を引いてしまう。

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図形を組み合わせた音符

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円とイラストを組み合わせた誕生日カード

この本は、イラストを作ったり、図形を描いたりと、「ワード」の描画機能を中心にわかりやすく解説したもの。作るものも、簡単な誕生日カードから、ポスター、三角くじ、塗り絵、略地図、カラフル地図、手作りタイトル、と多彩。

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丸などの組み合わせた塗り絵

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写真をなぞって描いた塗り絵

しかも、こんなものも作ってみよう、と次のテーマもある。オートシェイプを組み合わせると、いろいろなイラストが出来上がる。立体カードなんかも、そう。
簡単にイラストや図形を描いて、はがきや会報などができるようになっている。

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表と飾り文字(ワードアート)を組み合わせた三角くじ

「ワード」の描画機能って、はじめはちょっと敬遠しがち。丸や四角など何に使えばいいか、わかりにくい。しかも、ビジネスで使うような図形も多く、オートシェイプの形を見ているだけなら、面白い図形が作れるとは思えない。ビジネスワープロソフトの定番だから。

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線で描いた地図と、四角形などを組み合わせたカラフルな地図

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直方体や円柱を組み合わせた立体的な地図

でも、使ってみると、色んなことができる。図形の重ね方や描き方さえわかれば、あとは描きたいものにチャレンジできる。一度この本を見ながら、試してみていただきたいもの。

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線をなぞって描いた手作りのタイトル文字

8月25日発売
NHK出版
『中高年のパソコン手習い塾  描いて飾ろう!ワード』

是非、お求めください。
なお、このシリーズでは、次のものも出ています。ない場合は、書店に注文していただけると、嬉しいです。

●NHK出版 佐々木博監修 『中高年のパソコン手習い塾  楽しもう!パソコン』

●NHK出版 佐々木博監修 『中高年のパソコン手習い塾  楽しもう!ワードとエクセル』

●NHK出版 佐々木博監修 『中高年のパソコン手習い塾  楽しもう!デジタル写真』

8月 25, 2006 パソコン・インターネット, 書籍・雑誌 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2006年8月 3日 (木)

『第九の日』 瀬名秀明著

Rimg0057 2足歩行のヒューマノイド型ロボットが、人間と同じように考え行動するのは、鉄腕アトムの時代から夢物語して魅力ある話題を提供してきた。映画「スター・ウォーズ」のドロイド、浦沢直樹の「プルートウ」など、人間的な悩みを抱えたヒューマノイド型ロボットと人間との関係は、SFとして話は面白い。

『パラサイト・イブ』で身震いするような遺伝子の世界を描いた、ホラー作家で薬学博士の瀬名秀明氏が、人間型ロボットに挑戦したのが『第九の日』。いくつかの小編をまとめたものだが、主人公や登場人物が同じなので、話が変わったことに気付かずに読み進めてしまう。あれっ、どこでこんな話に進んでいたのか、とめくると、別な話に移っていた。最後の書き下ろしだけが、主人公が異なる。

東北大学工学部のSF機械工学担当の特任教授に就任した瀬名は、意欲的にヒヤリングしたりして構成したそうだ。意欲的な作品だ。ITの進歩でデータの蓄積と記憶は進むだろうし、AIの飛躍的な発展で、データの解析なども進むだろう。そこにヒューマノイド型ロボットが登場する余地はある。

ただ脳の研究者などによれば、人間の脳の研究は悪無限で、解析には限度があるということだから、ロボットにも限界はある。どこまで話を広げるかは、作者のモチーフによるだろう。

SFとして読む分には、面白い。神と人間の関係が、ロボットに経験できない領域と書かれてみると、それしか残っていないのかと怖ろしくなってくる。ただ人間のずぼらなところ、不要な情報を忘れてしまうことなどは、ロボットには難しいかもしれない。人間の記憶は、実にいい加減だから。

ところで、読んでいてすごく気になった言葉があった。「酷く」である。ふだん「ひどく」と使うだろうし、そんな表現を取ることが少ない僕にとって、「酷く」が頻繁に出てくるのには驚いた。この言葉に何度も引っかかってしまった、というのがショックだった。

『第九の日』 瀬名秀明著 光文社
おすすめ度:★★★☆☆

8月 3, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (3) | トラックバック (1)

2006年7月24日 (月)

NHK趣味悠々『もっと楽しめる! パソコンライフ』

Rimg0003_1 NHK教育テレビ・趣味悠々の「中高年のためのパソコン講座 もっと楽しめる! パソコンライフ」テキストが、明日25日発売予定です。

放送は、8月8日から10月までの3ヶ月、毎週火曜午後10時から。
今回は、中谷日出さんが講師です。司会は、いとうまい子さん。この組み合わせは、はじめてですね。現在のブログに続いて、是非ご覧ください。

パソコンライフって、パソコン全般に渡っています。というか、パソコンから少し飛び出した感じもあります。現在のパソコンは、携帯音楽プレーヤーに限らず、いろいろな機器と連携しているから、話はどうしても広くなってしまいます。
話としては多岐にわたりますが、お楽しみいただけるものも、いろいろと入っています。

特に今回の目玉は、フリーソフトです。
パソコンを買ったとき、いろいろなソフトが入っていても、使い方がわからないと、宝の持ち腐れになります。ソフトは使い方さえわかれば、面白いものがたくさんあります。少しでも使い方をアドバイスしてもらえば、使えるのに……と悩んでいる方も多いはずでしょう。
そこで、フリーソフトで楽しんでみては、というのが1つの柱です。詳しい使い方を網羅できないのは残念ですが、ある程度は楽しめるはずです。

それと、講釈。最近のIT事情について、いろいろとわからないこと多いかもしれません。パソコンを囲む、さまざまな事象って、日進月歩でわかりにくいことが多いものです。実際に利用しなくても、どんなことってことを知っておくと、少しは安心できるかもしれません。漠然とこんなことかって、わかるだけでもいいかもしれません。

時々、詳しく紹介していければ……なんて考えているけど、番組がどう出来上がってくるか、僕自身も楽しみです。是非、お友達にもご紹介ください。

7月 24, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2006年7月20日 (木)

『I'm sorry,mama.(アイムソーリー、ママ)』 桐野夏生著

梅雨に戻り、外に出るのも億劫な休日。読む本もなくなったので、彼女の本棚から取り出したのが桐野夏生著『I'm sorry,mama.(アイムソーリー、ママ)』。

パートタイマー主婦によるバラバラ殺人を、日常的な感覚の延長に描いた『OUT』で、桐野夏生の凄さ、怖さを知っていた。確かほかにも何冊か読んだ記憶があるが、それほどインパクトがない。というより、『OUT』の衝撃が頭に焼き付いていた。

期待していたのも、日常的な感覚からの延長にある事件。もちろん、同じような作品を作ることはないだろう。この小説には、児童福祉施設育ちの女性たちが登場する。出自が何でもあり、という意味では、話の背景をいろいろと広げられる。繋がりそうにない話が、少しずつ絡んでくる。

邪魔になる人を次々と殺してゆく。何も拘泥するものがない。邪魔、というだけ。この当たりは、桐野夏生の描き方。ただ何でもありの出自という想定がつくため、怖ろしさや怖さが伝わってこない。あっそう、放火するの! 殺しちゃうわけ! と半分納得してしまう。殺人や放火などを、日常的な行いのように淡々と為してしまう姿を描きたかったのかもしれないが、人物設定が少し特殊化したきらいがある。

はじめに考えた構成はスケールも大きかったはず。上下巻ぐらいに展開させようという意欲に満ちていたようだが、尻つぼみの感がある。どのように終末に向かうかは、作家の構想力だろうが、途中でうやむやにしてしまった。もう少し緻密に構成して終末に向かったら、違った感じになったかもしれない。

舞台設定や人物設定に十分違和感があるため、驚きが乏しくなる。ただ飽きさせない書き方は、さすがだ。

『I'm sorry,mama.(アイムソーリー、ママ)』 桐野夏生著
2004年11月発売
おすすめ度:★★☆☆☆

7月 20, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年7月16日 (日)

虎  中島敦『山月記・李陵』

本屋さんの書棚を回っていた。文庫本コーナー。文字が小さく読みづらいので敬遠していた。読んでと、声をかける本がある。中島敦の『山月記・李陵』。

高校の教科書で感動し、繰り返し読んだ。文庫本も買った記憶がある。覚えているのが、虎。どんな文脈かすっかり忘れていたが、虎の登場が怖かった。硬質で明快な漢文調のリズムもイメージとして残っている。大学生の頃まで好きな作家の一人にしていた。

巡り会った時期によって、本の印象って異なることがわかった。
倫理観を前面に押し立て、小気味のよい文体で畳みかける話が頭の中を駆け回ったのだろう。
いま読んで、何と短い話と驚いてしまった。虎の登場も、期待していたイメージとは異なっていて、意外と冷静。人生経験の差によるのか。

40年近く持ち続けた虎の怖さとは、何か。なぜ、倫理で苦悩する人間像に魅力を感じたのか。漢文調の文体によるところは大きいとは、高校の頃から思っていた。自分の信念を押し通して突き進むと豹変し、元の姿に戻れなくなってしまう怖さなのか。元に戻りたいとあがいても、変わってしまった外見は変えようがない。この姿が怖かったのかもしれない。

時を経て、好き勝手し放題で、咎められても突き進んでしまった、いま。姿こそ変わりはしないが、悔いたり、ああすれば良かったと悩みが尽きないのは同じよう。虎に変身していない分、逆に隠しおおせそうだが、明確になりにくい思念。

きっと中島敦は、いま虎に豹変してしまいそうな狭隘な思念と突き進んでしまう性癖を、戒めようとしているのかもしれない。これまでずうーと頭の底に沈殿して引っかかっていたのは、傲慢で猪突猛進で人を顧みない習性を諫めていたのかもしれない。

読み終わり、いまの読後感を捨て、高校時代からの怖さを呼び戻すことにした。40年近く温め続けた怖さを捨てないために。
カラマーゾフもかな。

7月 16, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年7月 3日 (月)

ハリー・ポッターと謎のプリンス

発売翌日には買った上下本を、1ヶ月半もかかって読んだ人も少ないだろう。速い人なら2日、遅くても1週間で読んでしまうはずの本。本を開くのが疲れ切った夜中。数ページ読むと瞼が閉じている。もう寝ようと、布団に潜り込む日々。しおりが前日のままだったりして、どこまで読む進んでいるか追いかけたりと、優雅に楽しませてもらった。

ファンタジーの世界はイメージがどこまでも広がるから面白い。ハリー・ポッター、ダレンシャンも異世界と人間世界が絡むストーリー。魔法の世界がある意味ひどく人間(マグル)的なのが不思議ながら、そこが奇妙とも思えずのめり込んでしまう。みんな揃って汽車に乗らなくても、なんて野暮なことは言わない。人間と同じ駅から特別列車に乗って出発する。

この6巻は、これまでとストーリー展開が異なる。5巻までは学年の休み明けから徐々に謎解きが始まる。6巻も休み明けからに変わりないが、伏線が散りばめられ、終末に向けて期待を膨らませる手法。

ハリーたちは6年生になる。16歳。17歳になると、魔法使いの大人になるらしい。小さいな1年生から大分大人になったと思っていたが、まだ子ども。本、映画と出ているから、すでに大きくなった印象があるが、まだ16歳という設定。

16歳ともなれば、異性を意識する。これまでにはない展開が新しい軸としてストーリーに加味されている。それと、これまで謎だったことが少しずつ解き明かされていく。そして、新たな謎。

ストーリーが1巻から7巻までしっかり構成されているので、大団円間近と心躍ってしまう。きっとこの6巻と7巻は、上下巻と見間違えてしまう。いや、5巻から上中下と捉えた方がよいかも。1学年で1巻構成とはなっているが、すでに終巻を見据えた展開。

ダレンシャンでもそうだが、子どもの成長と話の進展には決別が伴う。この起伏の激しさに絶句してしまう。我が家の子どもたちも、先に読んだものが「あれはないよ!」と憤りながら口を閉ざす。そんな風に回し読みしていた中心人物が今回から家にいないので、僕から読み始める羽目に。このあと続けて読むものはいないかも。1ヶ月半も独占していたのに、まったく関心なさそう。もう大人になってしまったのか。それとも遅読の親に呆れ果てたのか。

ハリー・ポッターと謎のプリンス
J.K..ローリング/作、松岡祐子/訳、静山社
おすすめ度:★★★★☆

7月 3, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月20日 (土)

『空間の謎・時間の謎』 内井惣七著

深淵でどこまでも尽きない暗黒の世界。夢見る宇宙の姿は、明るく大きく輝き、星雲が誘う。宇宙、そして空間、時間の観念は、尽きることのない知識の坩堝。時空間をどう認識するかは、遙か昔から人間のテーマだった。

Rimg0003 キリスト教が席巻した中世ヨーロッパに限らず、太陽、月、銀河など規則正しく動く膨大な宇宙は、世界観を形成する契機としては申し分ない。人間世界の瑣事を超越して確固たる世界には、畏怖の念を禁じ得ない。そこに神を見出すのは、いわば必然。

ライプニッツ、ニュートンだけでなく、アリストテレス、いやそれ以前から、宇宙の秘密は人々を魅了してきた。そこに一定の法則があり、それは厳然とした事実として目の前に立ち現れる。神が作ったとでもいわないと了解できない世界。

ニュートンの絶対空間、絶対時間は、キリスト教の神が誤謬のない絶対神として確固な世界にマッチしていた。ニュートンに異を唱えたライプニッツにしても、神が作り上げた世界ということでは同じ。違いといえば、ニュートンの説では、誤謬のない神が宇宙とは別に空間を編み出したこと。空間が神の具現なら、宇宙の法則だけでなく身の回りの空間にも偏在していることになる、とライプニッツは語る。

マッハからアインシュタインの相対性理論へと、宇宙、空間、時間に関わる理論は体系化され、ビッグバンまで計算で想定できる現在。でも、畏怖の念を抱きながら、空間に満ちあふれるエーテルを無視するほど、物理学は哲学的ではない。さまざまな理論が現れ、糾合して偉大な理論ができているが、素朴になぜ地球は動くの? 宇宙が膨張しているのなら、始まりは何? には答えがない。大昔から神の仕業と恐れ、そこに大いなる夢の世界を造りあげた時代から納得できる答えを得られない。そこに神秘で深遠な夢が想像されるわけがある。

「空間の謎・時間の謎」、サブタイトル「宇宙の始まりに迫る物理学と哲学」に魅入られて手に取った本。ライプニッツの提起が脈々と息づいているとの指摘は嬉しいが、その説明が哲学というより物理学であるため、理解を超える部分が多く、悩ましかった。意図していることは哲学的なスケールの大きな理論なのだろうが、新書なら基本を抑えようと、まず物理学の学習となっている点が惜しい。返って謎が深まった。

内井惣七氏の簡潔なまとめ方は、この難しい世界を何とか分かりやすく解釈したいという意欲の表れだろう。集中して読んだら、目から鱗がたくさんあるはず。一生懸命な論理構成には拍手喝采だ。

『空間の謎・時間の謎』 内井惣七著(中央公論新社)
おすすめ度:★★★☆☆

5月 20, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月10日 (水)

「デスノート(DEATH NOTE)」の連載終わる

『週刊少年ジャンプ』で連載中だった「デスノート(DEATH NOTE)」(原作・大場つぐみ、漫画・小畑健)が、奇妙な胸騒ぎとともに終わった。
連載が始まる前、単発で『週刊少年ジャンプ』に出た。しばらくして連載がはじまる。反響が大きかったのだろう。

人間の深層心理をえぐる構想に、気持ち悪さとおどろおどろしさを感じたのは僕だけではなかった。子どもたちも連載がスタートしたとき、ほら、前に見た漫画、連載になったよ、と気味悪そうに話していた。

あの人いなくなったらいいのに、って呪ってしまうことって正直言ってある。死んでしまえば、とまでは至らなくても、そんな胸奥深く澱む、心の負の部分を大胆に切り開いて表に出してしまう、というのがこの漫画の着想。結果、殺人。単発の漫画での印象深さは、ここに由来する。

しかも殺人が完全犯罪のように、自分の手を汚さない。死に神のノートに名前を書き込むだけ。このノート、特に大それたものではなく、どこでも売っている大学ノートのようなもの。机の上で開き、悪戯書きするあのノートだ。勉強中、気にくわない友達のこと思い出し、「××、死ね」なんて書いてしまいそう。その日常的な負の願望を漫画にしてしまったのだから、怖さもひとしお。読むのも怖いが、読み進まずにはいられない。

ノートに書くだけなので、殺人という実感も湧かない。他人事のように死んでしまう完全犯罪。嫌疑がかかったとしても、ノートに名前が書いてあるだけ。殺人の証拠にすらならない。怖ろしいことを考えた漫画だ。連載になって話は主人公の捕り物へと発展するが、この着想だけで充分読み手を引きつけてしまった。

姉がデスノート持っていたら、僕なんか何度死んだことか。中学生のころ、トイレに立って戻ると、机のノートに「死ね」って悪戯書きされていた。あれは兄弟げんかだけど、思い出してしまうとぞっとする。

おすすめ度:★★★★☆

5月 10, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年4月18日 (火)

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン リリー・フランキー著

To0002_240 息子と2人で夕ご飯食べに出かけたときのこと。
少しは本読みな、何か読みたいのないのかい。『東京タワー』って今度ドラマにもなるって、面白いらしいよ、知ってる? フランキーっていう人。どこかで耳にしたような気がする。フランキー堺じゃないよね。息子が読みたいものって、何? さっそく買ってきた。

息子がどんな噂から読んでみようと思ったかは不明。親子関係をテーマにしながら、主人公=ボクの生い立ちから丹念に綴った自伝的小説。北九州の方言(博多弁?)を交えて展開する話は、テンポがよい。博多弁って羨ましくなる。東北弁(仙台弁)なら、きっと重い感じになるはず。得しているなあ、と改めて博多弁の良さを実感。

五木寛之著『青春の門』も筑豊が舞台。土地の気質なのだろうか、いろんな困難をあの言い回しで乗り切ってしまう。しかも行動力がある。そういえば、井上陽水も北九州のはず。

オカンがそしてボクが頭を占領していた。しかも本のストーリーを超え、駆け回っていた。他に出てくるのが、僕の親父とお袋。58で旅立った親父。癌だった。親不孝を重ね、それが死を早めたとも悩んでしまう。親孝行を意識したときには、すでにいなかった。迷惑掛けたとしみじみ思ってしまう。当時はそれが僕の生きる道なんて、強がっていた。すでに20数年経ってしまっても悔恨の情が溢れ出す。こんな思いが『東京タワー』の話と交錯し、二元中継のように頭の中で展開する。

主人公のボクは、僕よりひと回り若いが、幼い頃の時代背景は近い。ただ上京してからの東京は、現代に近い分、落差がある。九州の人ってよく喋るなあ、それに機転が利く。うまいもんだ。僕にしても親父やお袋にしても、あんなに器用には立ち回れない。
話に浸りながら自分の生い立ちを考えさせるなんて、作家冥利に尽きる。

今朝、登校したあとの息子の部屋に本を置いてきた。親になってはじめてわかることって、残念ながら結構ある。ちょうど自分史の中の僕が、東京デビューでうごめいている。このあとさらに昔に遡ろうとおもっていた矢先の『東京タワー』。親父そしてお袋を想いながら、親になった僕が何を語れるか。もう一方の流れに進み出そうかな。

で、息子は読んで、どう思うのかな。

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』 リリー・フランキー著・扶桑社
おすすめ度:★★★★☆

4月 18, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年4月17日 (月)

いま、会いにゆきます - 市川拓司著 竹内結子・中村獅童主演

僕は偏見の固まりである。好きなものを素直に好き、とは言わない質。この頑固さは至る所で問題を引き起こす。その因果は応報ゆえ、致し方ない。

『いま、会いにゆきます』(石川拓司著)もそう。2003年3月発売というから、すでに3年前に発売されたこの本。評判は耳にしていた。ただどこでもいう「恋愛小説」という殺し文句が、僕には「フン、恋愛小説か」という、いつもの態度で無視し続けていた。当時「セカチュウ」こと「世界の中心で愛を叫ぶ」がヒットしていて、まったくバカにしていた(ちなみに僕は「世間の中心で愛を叫ぶ」と信じていた)。

昨年2005年1月出張で関西に行くことになり、東京駅構内の本屋で本を探していた。あの手の本屋は特にそうだが、売れ筋の雑誌や書籍しか置いていない。書店内を3~4回グルグル回り、時間に追われ、エイヨッとレジに出したのがこの本。暇つぶしにでもなれば、と軽い気持ち(言い訳がましい)。新幹線の中で読み始めたら、止まらない。淡々と進む話。頭の中で広がってしまうこの世界。偏見などどこかに吹き飛んでいた。

電車の乗り継ぎ、打ち合わせを1件すましたら、さっそく帰京。早く読んでよ、と催促されるように、電車、新幹線と読みふけり、東京に着く前に読み終えてしまった。目頭が熱くなったが、隣に見知らぬ人が座っている。気持ちの高ぶりを押さえて、感動に身を任せていた。

すでに映画も公開されていた。大好きな竹内結子・中村獅童主演なので、是非にでも観たかったのだが、一人で観るのも寂しいものとズルズル日が過ぎていた。

だいぶ経って、夜中家に帰ったら、娘二人がテレビでDVDを観ていた。声を掛けても無視。観ているのがこの映画。終盤に入っていた。そうか、竹内結子の「いま、会いにゆきます」。遅い夕ご飯を食べ、風呂に入ってから、一人観た。主演の二人、本当にうまい。原作とは違うところもあるが、それは映画。夜中いい年をした親父が涙を流して観ていた。

これって、テレビドラマにもなった。日曜9時からということもあり、1回を抜いて通しで観た。テレビドラマは、かなり手を加えているので、興味津々。まあ期待を裏切られるところもあったが、まあまあと納得。

で、昨日テレビで映画をやっていた。分かり切っているのに、誰憚ることなくテレビの前を占拠。二度目なのに涙が止まらない。こんな話ないよねって毒づきながら、いやあるある、と幻想世界を彷徨う。涙を流すとスッキリなどと言い訳しながら、感動の涙が止まらない。こりゃ恋愛小説じゃない、生死を超えた生き方だなどと、訳のわからない屁理屈。偏見もここに至ると、恐れ入る。
本当にいいです。

ちなみに「セカチュウ」、本は読まなかったけど、映画をテレビで観ました、恥ずかしげもなく。だって、長沢まさみだもの。

『いま、会いにゆきます』(市川拓司著)
映画 竹内結子・中村獅童主演
おすすめ度:★★★★☆

4月 17, 2006 映画・テレビ, 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年4月 9日 (日)

ヒストリアン(The Historian)

気:最近、本読んでいないの? 記事ないけど
元:いやー、まいったいよ。もう1ヵ月以上経つんだ、読み始めてから、『ヒストリアン(The Historian)』(エリザベス・コストヴァ著、高瀬素子訳、NHK出版)。

気:そりゃ、大作だよ。確かⅠ・Ⅱの2冊で、1000ページにも及ぶんじゃない。
元:ページぎっしりに文字だらけ。読み進まない。夜半、夕ご飯食べて風呂入りゃ、2時過ぎている。いざ炬燵に入って本を出す。温かくて1ページも読み進まないうちに上瞼が閉じている。

気:面白いなら、そんなことないんじゃないの。
元:何とかブログに書こうって、終わりまで読まなくちゃと、毎日毎日自分に叱咤激励。もう苦痛に近いね。昨日の毎日新聞の夕刊で、読み進まない本は諦める、とあった。目から鱗。で、やめることにした。

気:歴史小説ブームに便乗したものだよね。ダン・ブラウン『ダヴィンチ・コード』なんかが起爆で売れているよ。
元:娘の現代、父親の結婚前、父親の指導教官の時代、と3つの時代が手紙などで織り成すスケールの大きい構成なんだ。中世東ヨーロッパに現れたドラキュラの謎を解き明かしていく。きっとこの3分の1にまとめた方がスリリングに楽しめるだろうが、学者先生、すべてに細かすぎる。微に入り細に入りってこのことだね。ストーリー展開を遅らせてしまう。

気:細かいってことは、情景や心証を表現するには必要だよ。細かすぎるのはどうかと思うけど……
元:そう、アメリカ、ロンドン、アムステルダム、パリ、ローマ、コンスタンチノーブル(イスタンブール)、ブタペスト、ソフィア……いろんなとこ行くけど、観光ガイドのような紹介がある。きっとその都市に興味のある人なら、きっと、おおーと頷くのだろうけど、行く場所行く場所これだから、ストーリー展開が連続しない。

気:謎解きって、次々と謎が深まったり解けたりと、ワクワクするね。それに町中の風景描写が絡んでいたら、きっと面白いんだろう。原文は面白くても、翻訳がそこを出せないってこともある。
元:中学高校で英文を訳すときって、すべての英単語の意味を並べ、返って意味分からないって日本語書いたことないかな。そんな直訳あって、おいおいどうしたこの翻訳はって。

気:そりゃ、1000ページもあるんだから大変さ。きっと荒訳したままだったんじゃない。
元:かもね。あと150ページ残していたけど、もういい。この間、本屋に行けなかった。やっと読みたい本、手に取れそう。

『ヒストリアン(The Historian)』
おすすめ度:★☆☆☆☆

4月 9, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年3月20日 (月)

本屋で扱いが違う手習い塾シリーズ本

先日赤坂の書店文教堂で待ち合わせをしている間、NHK出版から出した本を探してみた。パソコン入門書のコーナー、NHKテキストコーナー、パソコン雑誌コーナー……。何度も探してみたが、ない。何、この本屋さん。売れ筋の本なのに、1冊も置いていない。平積みは無理でも1冊ずつくらい置いてもいいのに……。

京都で入った大型スーパーの書籍コーナー。パソコン書籍って少なかったが、何とNHKテキストコーナーに『中高年のパソコン手習い塾シリーズ』が正面に立てかけてあった。それも、『はじめよう パソコン』『はじめよう ワードとエクセル』『ブロードバンドを安全に楽しもう』『楽しもう!ワードとエクセル』の4冊がドーンと目の前に。最新の『楽しもう!デジタル写真』は平積み。ウムウム、ここの店員さん、知っているな。それにしても『はじめよう パソコン』って発売からすでに5年。息長いねえー。確かに増刷しているけど、サイクルの短いパソコン本。嬉しいものだ。

新宿の紀伊國屋書店本店も、扱いはNHKテキストコーナーに。『パソコン出直し塾』などと並んでこのシリーズがテキストでもないのに、ちゃっかりいい位置を占めている。店員さん、分かっているなあーって感心した。3階のパソコン関連のムックコーナーにはなくなっている。ちょっと、そこにも1冊ずつくらい置いてよ。

日本橋の丸善本店。1年以上前になるが、「よく売れている本」などとポップが華やかに飾ってあった。店員さんのお手製。もちろん、平積みで柱の一角を占めていた。褒められているようでちょっと恥ずかしいけど、すごく嬉しかった。
立川のオリオン書房。ワンフロアー全部書店。でもパソコン入門コーナーに1冊あるくらいで、扱いが悪い。NHKテキストコーナーにもない。ここは置いてあっても回転が速く、2週間後くらいにはなくなっている。

NHK趣味悠々『中高年のためのパソコン講座』関連の本なんだから、NHKテキストコーナーに長く置いてくれれば、まちがいなく売れそうな気がする。でも都会の本屋さんって、せっかち。すぐ変えてしまう。長く売れている本なのに。目立つところにポップなどと一緒に置いてくれれば、売れますよ、店員さん。よろしくお願いします。

3月 20, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年3月11日 (土)

バガボンド 井上雄彦著-読後

バスケットマンガ『スラムダンク』で空前のブームを排出した井上雄彦の野心作。現在車椅子バスケット『リアル』も執筆中。
『バガボンド』は吉川英治原作の『宮本武蔵』を元に、井上雄彦のオリジナルな世界を展開している。この人は、スラムダンクやリアルでもそうだが、イメージがどんどん広がり、頭の中の人物が勝手に動いてしまうという感じ。それを絵にしている。話の流れも、吉川英治の原作からは離れ、佐々木小次郎の生い立ちがこの間長く続いていた。やっと武蔵の話に戻ったので、思い出しつつ話を追う。

吉川英治の原作も面白く、文庫本を立て続けに読んだ記憶があり、話の流れはわかっているが、井上雄彦にかかると、まったく関係しない。もちろん、大筋の流れは意識もしているのだが、時間のとらえ方がまったく違う。スラムダンクのときもそうだが、体育館での喧嘩シーン。きっと時間的には1時間あるかないかと思われるのが、何と1冊以上に亘っていたはず。試合もそう。バガボンドも入れ込んだシーンは実に入り込んでいる。絵は凄いが、読むのには時間がかからない。ただインパクトが強い。人物の表現や話の流れが新奇。井上雄彦はきっと楽しいだろう、っていつも感心させられる。膨らんで自在に動いてしまう多くの人物を一人一人丹念に描いていく。もちろんこれだけのスケールを構築するには艱難辛苦なのだろうが、読んでいて彼が描いた世界を堪能できてしまう。

バガボンドとは、英語で放浪者、ならず者って意味らしい。先日21巻出て、さっそく読んだ。そのあと、偶然京都・東寺の観智院を巡ったとき、一乗寺での決闘のあと、3年ほど蟄居、とあった。えっどこに。ここって、京都。そうか、いま武蔵は京都に戻っていたんだな。400年前って、タイムマシンのような錯覚に陥った。東京で読んでいたから、400年前の京都はイメージの世界。それが眼前にあるといわれた。何とも不思議な感じだった。

観智院の五大の庭の写真を、マイフォトに入れましたので、ご覧ください。

3月 11, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年2月24日 (金)

養老孟司著『無思想の発見』-読後

気:やあ、参った参った。やっと話、終わった。
元:お疲れ様。で、いまの話、あっちこっち飛んでいて、いっけん脈絡なかったね。

musisou_160 気:お客さん、「思想なんてない」とか、「哲学なんて持っていない」なんていうから、つい力んじゃった。その上、「どうしたらいいですか」なんて聞くもんだから、あっちこっち話しないと済まなくなっちゃった。
自分で意識する0.5秒前には、脳から指令が出ているっていったのが刺激的だったかな。別に当たり前なんだけど。
元:そりゃそうさ。コーヒー飲もうと思ってカップに手を伸ばす、その0.5秒前に、脳から手を伸ばせって指令が出てると聞いたら、えっ自分で考えていないの、ってビックリしちゃうよ。その上、お客さん、思想や哲学って言葉、妙に硬くて重い、疎ましいものって感じだからね。日本人らしいよ。

気:そうなんだよ。自分はこうだ、なんて思い込んでいるけど、そんな意識、確固としたもんじゃないのに。
元:意識って、ほかの人との違いで現れるもんで、まず自分の意識だけがはじめにあるなんて変。先生のいうとおりだよ。私ってこうでしょう、なんていうけど、そんな私ってないわけ。そこで混乱したから、逆に謙遜したように、思想なんてありませんって話になったんだよ。

気:思想がないっていうけど、その考え方が思想なんだ、日本人に特有の思想なんだっていいたいんだけど、そこがうまく伝わらない。ないものはないって。宗教だってそう。日本人の多くって、無宗教だっていう。キリスト教やイスラム教、仏教じゃないけど、日本土着の神とか自然信仰とか、いまだってしっかり大事にしている。
元:創始者いるのが宗教って狭くいえば確かにそうだけど、宗教って死後の世界や現世をトータルに捉えるものって考えると、山の神、海の神って自然崇拝だって宗教だよね。それが、ヨーロッパ的な考えや中華思想の影響で、キリストや仏陀とか創始者いるのが宗教、日本のは宗教じゃないって、思い込んじゃうんだろうね。

気:何かと気弱な感じで、無思想・無宗教・無哲学って、考えるの避けている割りに、自分だけはこうなんですっていうから変だっていっているわけ。無思想の思想って、日本人特有の優れた思想があるのにね。
元:でも、自分っていつも悩んでいるから、不確かな感じは持っているんじゃないの。そのフワフワした感じが、ほら、ヨーロッパや中国の確固とした思想・宗教・哲学と比べりゃ、ないに等しいって引いてしまうだろうね。先生は、無思想っていう思想を持っているんだ、っていいたいだよね。

気:あまり人に言いたくなかったんだけどね。虫取りしている方が僕には向いているのに。
元:先生、『バカの壁』なんて売れちゃって引っ張りだこだから、あっちこっちで同じようなこと話しちゃう。教訓垂れたくなる感じもわかるね。本の編集者なんか、売れりゃいいって、またまた先生引っ張り出しちゃう。本当ならもっと話繋がるようにじっくり話したいじゃないの、先生。

『無思想の発見』(養老孟司著・ちくま新書)

2月 24, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年2月13日 (月)

四日間の奇跡-読後

どうせ死ぬなら、事故で即死っていいな。長患いは苦痛が続くのだろうし、看病するのも大変だろうし。でも思い残すことがあったら、困ってしまう。遺書なんて残してないし、その直前にやり残したことがあるかも。まあ僕の場合、死んでもたいしたことないわけだし、勝手し放題だから、きっと悔いなんて残っていないだろうが。ただ突然ってやっぱり困っちゃうかな。許されるなら、詰まらぬことでも果たしてもらい納得してあの世行きっていいのかな。
そんな夢のような奇跡の話が朝倉卓弥著『四日間の奇跡』(宝島社文庫)。

yokkannokiseki 事故で薬指がなくなった元ピアニストと、サヴァン症候群という特殊な能力を持った少女、それに高校時代に元ピアニストを慕っていた女性を中心とした話だ。何か『いま、会いに行きます』(市川拓司著)に似ている。突然の死に、叶うものなら果たしたい夢ってあるはず。それが奇跡で実現できたら、という思いが背景にある。

構成がよくできている。心優しい失意の元ピアニスト、うまく対人関係を作れないが驚異的な記憶力で譜面を見ずにピアノで弾ける少女。舞台は長期療養施設と隣接する脳研究所。脳の働きと心のあり場所を、物理的な脳の働きを超えた精神世界・心をあり方を、奇跡という形で提示してみせる。語り口調のストーリー展開が次々と引き込んでいく。ゆったりとした進め方なのに飽きさせない展開。ボリュームの割りに一気に読んでしまう。

あまりの突然の死。野望ではなく、小さいけどいかにもその人らしい夢。それが物理的な脳を超えた心の置き換えで可能になる。心優しき人に囲まれて非業の死に遂げようとしている人への哀歌だ。
ただただ感動を呼び起こし、目頭を熱くさせる小説だ。映画のようだと思っていたら、映画化されるんだって。納得してしまった。

2月 13, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年2月 5日 (日)

博士の愛した数式-読後

例えば256という数字。とっても美しい。単に2の8乗だからスッキリというだけでなく、2と5と6の増え具合が放物線y=√xのような並び方になっている、ニゴロと語呂がいいなど、いろいろと語れる。でも数字の美しさは、数学嫌いが多いせいか、表立って語られたことは少ない。日陰者の美学だ。小説のキャラクターを彩る脇役として登場することは稀。

『博士の愛した数式』(小川洋子著)の博士は、交通事故で80分間しか記憶が続かなくなる前は、数学博士。事故前の記憶は残っていて、当時の阪神・江夏豊などを話すことはできる。移ろい行く過去の出来事に対して、何十年経っても変わらない数学の原理を軸に博士を描き上げていく手法は卓越。数の面白さを、学校教育とは違う手法で巧みに物語りに入れ込む。もちろん、数学素人の家政婦とその息子が、記憶喪失老人の博士を際立たせるという構成がわかりやすく博士との世界に引きずり込んでいく。

2月 5, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (1)