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2006年2月26日 (日)

三池 終わらない炭坑の物語(熊谷博子監督)

アンポハンタイ。ラジオから流れる声を真似て遊んでいた記憶があるが、三井三池を知ったのはずーとあと。ましてや総資本と総労働の闘いだなんて知ったのは、さらにあと。本やテレビの特集などで知ったはず。1963年の炭坑爆発で多くの犠牲が出、CO(一酸化炭素)中毒で多くの人が苦しみ、裁判していたこともあとで知った。三池炭坑といえば、遠い彼方の世界だった。

miike_front 先日「三池 終わらない炭坑(やま)の物語」(熊谷博子監督)の試写会。忘れかけていた記憶の断片が繋がってくる。優良な石炭が出る炭坑だった。政府のエネルギー政策と対労働者政策をまともに喰らった三池炭坑。戦前は囚人や朝鮮人、中国人まで徴用して国家政策として石炭採掘を進め、戦後過酷な労働にそれなりの賃金で潤った三池。炭坑爆発とその後の悲惨さ。そして閉山。本当に国家政策に振り回された三池炭坑。そんな知識としての断片が、年老いた炭坑夫と主婦などのインタビューから再現される。

廃墟と化した炭坑跡を目にした熊谷さん、地底から湧き上がってくる何ものかに揺り動かされ、フィルムにしようと決心したそうだ。7年の歳月。何度も大牟田に足を運び、インタビューを撮り続けた。カメラが正対する彼ら彼女らは、長年胸に秘めためらっていた当時の話を、ときには涙を浮かべながらとつとつと語る。取材を始めて地元では、三池炭坑は負の遺産、寝た子を起こすようなものと尻込みされてしまう。負の遺産じゃなく、凄いものを残してきた。それを語り継ぎ、生きてきた証しを記さなきゃ、と説いて回ったのだろう。大牟田市の全面協力も得て完成したドキュメンタリー。取材した人のうち何人かは他界するような高齢になり、いまが記録に残すタイミングだったのだろう。

miike_back 確かに忘れかけつつある現在に三池炭坑の映画は唐突かもしれないが、負の遺産として仕舞い込まれたら堪らない。いまに生きる三池炭坑、そしてそこに逞しく生きる人々が蘇ってくる。
少し痩せこけて落ちくぼんだ目に、嫌がうえにも疲れが見える熊谷さん。くちばやに語る物語は彼女の熱意のほとばしりのよう。
4月1日からレポレ東中野でモーニングショー上映。
ぜひ前売り買って足を運びたいものです。

2月 26, 2006 映画・テレビ |

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コメント

 京都、大阪、神戸でこの秋に上映予定と聞きました。いつ、どこの映画館か,チケット入手はどうすればいいか、わかりませんでしょうか?読者からの問いあわせがありました。

投稿: 村田 勝 | 2006/06/06 12:12:59

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